副甲状腺機能低下症で認められるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
副甲状腺機能低下症は、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が不足することで、血中のカルシウム濃度が低下し(低カルシウム血症)、リン濃度が上昇する病態である。低カルシウム血症は神経筋の興奮性を異常に亢進させるため、特徴的な症状としてテタニー(手足のしびれ、筋肉のけいれん、Chvostek徴候、Trousseau徴候など)を引き起こす。
選択肢ごとの解説
- 1. 副甲状腺機能低下症では低カルシウム血症が主症状であり、多尿は一般的に高カルシウム血症で腎濃縮能が障害されることで見られる症状である。正しくは:副甲状腺機能低下症では、低カルシウム血症に関連する症状が見られる。選びやすい理由:腎臓の機能と関連するため、一見すると関連しそうに思えるかもしれない。混同注意:高カルシウム血症によって引き起こされる症状(多尿、尿路結石など)と混同しやすい。
- 2. 副甲状腺機能低下症の直接的な症状としては、神経筋興奮性の亢進が中心であり、抑うつは主要な症状ではない。高カルシウム血症で精神症状が出ることがあるため、対比されることもある。正しくは:副甲状腺機能低下症では、精神症状よりもテタニーなどの神経筋症状が顕著である。選びやすい理由:高カルシウム血症では精神症状(抑うつ、意識障害など)が見られることがあるため、その裏返しと考える受験生がいるかもしれない。混同注意:高カルシウム血症による精神症状と混同しやすい。
- 3. 正解。副甲状腺機能低下症では、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌低下により血中のカルシウム濃度が低下する(低カルシウム血症)。低カルシウム血症は神経筋の興奮性を亢進させるため、手足のしびれ、筋肉のけいれん、さらにはテタニー発作を引き起こす。
- 4. 副甲状腺機能低下症では血中のカルシウム濃度が低下し、尿中カルシウム排泄量も減少するため、尿路結石は形成されにくい。尿路結石は主に高カルシウム血症(特に副甲状腺機能亢進症)で認められる。正しくは:副甲状腺機能低下症では尿中カルシウム排泄量が減少し、尿路結石のリスクは低い。選びやすい理由:腎臓に関連する疾患であることや、カルシウム代謝異常のイメージから、高カルシウム血症の症状と混同しやすい。混同注意:高カルシウム血症や原発性副甲状腺機能亢進症の合併症である尿路結石と混同しやすい。
- 5. 副甲状腺機能低下症では、副甲状腺ホルモンの欠乏により骨からのカルシウム放出が抑制されるため、骨が脆弱になることによる病的骨折は通常認められない。むしろ、骨密度は正常または高値を示すこともある。病的骨折は、高カルシウム血症を伴う副甲状腺機能亢進症で骨吸収が亢進した場合や、骨粗鬆症などで見られる。正しくは:副甲状腺機能低下症では、病的骨折は通常見られない。選びやすい理由:カルシウム代謝異常が骨に影響を与えるという認識から、骨の脆弱化を連想しやすい。混同注意:高カルシウム血症による骨病変(骨嚢胞、線維性骨炎など)や、骨粗鬆症による骨折と混同しやすい。
国試ポイント
副甲状腺機能低下症の主要な病態生理(低カルシウム血症)と、それに伴う特徴的な症状(テタニー)を結びつけて理解しているか。高カルシウム血症や副甲状腺機能亢進症の症状との鑑別も重要。
混同注意
副甲状腺機能亢進症の症状(多尿、尿路結石、骨病変、精神症状など)と混同しやすい。低カルシウム血症と高カルシウム血症それぞれの症状を整理して覚える必要がある。
次に同じ論点が出たら
副甲状腺機能低下症の原因(術後、特発性など)。治療法(カルシウム製剤、活性型ビタミンD製剤の投与)。検査所見(血中Ca、P、PTHの値)。
関連知識
副甲状腺ホルモン(PTH)の機能(血中カルシウム上昇作用、リン低下作用)。カルシウムとリンの代謝、ビタミンDとの関連。低カルシウム血症の他の原因と症状。Chvostek徴候、Trousseau徴候。