骨髄異形成症候群について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
骨髄異形成症候群(MDS)の診断基準において、骨髄中の芽球の割合は20%未満である必要があります。もし骨髄芽球の割合が20%以上になった場合、それは急性骨髄性白血病(AML)と診断されます。選択肢5の「30%以上」という記述は、MDSの診断基準とは合致しません。
選択肢ごとの解説
- 1. MDSは造血幹細胞の異常により、正常な血球が作られにくくなるため、多くの場合、末梢血で貧血、血小板減少、白血球減少(特に好中球減少)などの血球減少を認めます。これはMDSの主要な特徴の一つです。選びやすい理由:血球減少はMDS患者の主要な臨床症状であるため、正しい記述として認識しやすいです。
- 2. MDSは、造血幹細胞に遺伝子異常が生じ、異常な細胞が無制限に増殖する性質を持つ、WHO分類でも「造血器腫瘍」に分類されるクローン性の疾患であり、腫瘍性疾患です。選びやすい理由:MDSが「がん」の一種であるという理解から、正しい記述として認識しやすいです。混同注意:再生不良性貧血などの非腫瘍性骨髄不全症候群と混同しがちですが、MDSは遺伝子異常に基づくクローン性増殖を示す点で腫瘍性疾患です。
- 3. MDSでは、骨髄において造血が活発に行われているにもかかわらず、その過程で異常な血球が産生されたり、成熟段階でアポトーシス(細胞死)を起こしたりするため、最終的に機能的な末梢血球が増えません。これを無効造血と呼び、MDSの病態を特徴づける重要な要素です。選びやすい理由:骨髄での細胞の増殖が活発であるのに末梢血球が少ないというMDSの特徴を正しく捉えているため、正しい記述として認識しやすいです。
- 4. MDSは、骨髄中の造血細胞(赤芽球系、顆粒球系、巨核球系)に、それぞれ特有の異形成(形態異常)を示すことが診断基準の一つとなっています。例えば、赤芽球の多核化、顆粒球の前骨髄球・骨髄球の顆粒欠損、巨核球の分葉核異常などです。選びやすい理由:MDSの「異形成」という名称の由来にもなっており、最も特徴的な病理学的所見であるため、正しい記述として認識しやすいです。
- 5. 正解。MDSの診断基準において、骨髄中の芽球比率が20%未満であることが重要です。もし骨髄芽球が20%以上になった場合、それはMDSではなく、急性骨髄性白血病(AML)と診断されます。30%以上はWHO分類における急性白血病の診断基準の一部であり、MDSの芽球比率とは異なります。正しくは:骨髄中の芽球の割合は20%未満です。選びやすい理由:MDSが白血病に移行しやすい疾患であるという知識から、芽球の増加と関連付けてしまいやすいですが、芽球の割合が一定以上でMDSからAMLへと診断名が変わる境界を理解していないと誤りやすいです。混同注意:急性骨髄性白血病(AML)の診断基準と混同しやすいです。MDSとAMLの境界は芽球比率20%です。
国試ポイント
骨髄異形成症候群(MDS)の主要な特徴と診断基準、特に白血病との鑑別点である骨髄芽球比率の閾値について正確に理解しているかを問う問題です。MDSの定義、病態、形態学的特徴、そして急性白血病への移行という疾患スペクトラムを総合的に理解していることが求められます。
混同注意
急性骨髄性白血病(AML)の診断基準(特に芽球比率)、再生不良性貧血(血球減少を伴うが腫瘍性ではない)などの他の骨髄不全症候群。
次に同じ論点が出たら
今後MDSの論点が出た場合は、各病型の具体的な診断基準(例えば、RAEB-1とRAEB-2の芽球比率の違い)、特徴的な染色体異常と予後、治療薬の適応などが問われる可能性があります。また、病理組織学的特徴(形態異常の具体例)も重要です。
関連知識
MDSのWHO分類(RCUD、RARS、RAEB-1、RAEB-2など)、各病型における芽球比率や血球減少の程度、予後分類システム(IPSSなど)、染色体異常と予後、治療法(支持療法、ESA、免疫抑制療法、アザシチジンなど)。