サルコイドーシス患者の血清で高値を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
サルコイドーシスでは、疾患の病態形成に関わる肉芽腫内のマクロファージが、腎臓の1α水酸化酵素とは独立してビタミンDを活性化する能力を持つため、活性型ビタミンD(1,25-(OH)2ビタミンD)の過剰産生が起こります。これにより腸管からのカルシウム吸収が促進され、血清カルシウム値が上昇(高カルシウム血症)するのが特徴的な検査所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. サルコイドーシスは一般的に血清カリウム値の異常高値とは関連しません。高カリウム血症は腎不全や特定の薬剤などで見られます。正しくは:サルコイドーシス患者では血清カリウム値は通常、正常範囲内か、合併症によっては変動する可能性がありますが、直接的に高値を示す疾患ではありません。選びやすい理由:電解質の異常は様々な疾患で見られるため、なんとなく選びたくなるかもしれませんが、サルコイドーシスに特異的な変化ではありません。混同注意:他の電解質異常を引き起こす疾患、例えば副腎皮質機能低下症や腎不全などと混同する可能性があります。
- 2. サルコイドーシスは直接的に血清クロール値の異常高値を引き起こす疾患ではありません。高クロール血症は代謝性アシドーシスなど他の病態で生じることがあります。正しくは:サルコイドーシス患者では血清クロール値は通常、正常範囲内か、他の合併症の影響で変動する可能性がありますが、直接的に高値を示す疾患ではありません。選びやすい理由:電解質の一つであるため、異常を示す可能性があると考えるかもしれませんが、サルコイドーシスとの関連性は低いです。混同注意:代謝性アシドーシスや脱水などの病態と混同する可能性があります。
- 3. 正解。サルコイドーシスでは、活性型ビタミンDの産生がマクロファージ内で亢進し、これにより腸管からのカルシウム吸収が増加するため、血清カルシウム値が高値を示すことが特徴的です。
- 4. サルコイドーシス患者で血清ナトリウム値が特に高値を示すことは稀で、むしろ抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を合併した場合などには低ナトリウム血症を呈することがあります。正しくは:サルコイドーシス患者の血清ナトリウム値は、通常は正常範囲内か、合併症によっては低値を示すことがあります。選びやすい理由:電解質であり、全身疾患なので何らかの異常が出るかもしれないと考えるかもしれませんが、サルコイドーシスに特有の高値ではありません。混同注意:脱水による高ナトリウム血症や、SIADHによる低ナトリウム血症といった、ナトリウム異常を引き起こす他の病態と混同する可能性があります。
- 5. サルコイドーシスは一般的に血清マグネシウム値の異常高値とは関連しません。高マグネシウム血症は腎機能障害や過剰摂取などで見られます。正しくは:サルコイドーシス患者では血清マグネシウム値は通常、正常範囲内か、腎機能障害などの合併症によって変動する可能性がありますが、直接的に高値を示す疾患ではありません。選びやすい理由:他の電解質と同様に、疾患による異常を想像させるかもしれませんが、サルコイドーシスに特異的なものではありません。混同注意:腎不全や特定の薬剤によるマグネシウム異常と混同する可能性があります。
国試ポイント
サルコイドーシスは、その病態生理と関連する特徴的な検査所見(特に高カルシウム血症)が頻繁に問われます。肉芽腫性疾患であることを念頭に置き、ビタミンD代謝との関連性を理解しておくことが重要です。
混同注意
高カルシウム血症を引き起こす他の疾患(原発性副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症など)との鑑別が重要です。サルコイドーシスはビタミンD活性化亢進によるものであり、PTH値は通常抑制されているか正常範囲内です。
次に同じ論点が出たら
次にサルコイドーシスに関する問題が出た場合、高カルシウム血症以外の特徴的な検査所見(例:ACE高値、リンパ球減少など)や、罹患しやすい臓器(肺門リンパ節腫脹、ブドウ膜炎など)について問われる可能性があります。
関連知識
サルコイドーシスは全身の様々な臓器に肉芽腫を形成する原因不明の疾患です。肺、眼、皮膚、心臓、リンパ節など多岐にわたる部位に影響を及ぼします。高カルシウム血症以外にも、ACE(アンジオテンシン変換酵素)の上昇が診断マーカーとして用いられることがあります。