自己免疫性膵炎で上昇するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
自己免疫性膵炎は、全身の様々な臓器に病変を形成する「IgG4関連疾患」の代表的な疾患です。この疾患群では、血清IgG4濃度の上昇が特徴的に見られ、診断の重要な手掛かりとなります。したがって、自己免疫性膵炎で上昇するのはIgG4です。
選択肢ごとの解説
- 1. IgA1は主に粘膜免疫に関与する免疫グロブリンであり、自己免疫性膵炎で特異的に上昇する診断マーカーではありません。正しくは:自己免疫性膵炎ではIgG4が上昇します。選びやすい理由:免疫グロブリンのサブクラスとして存在するため、漠然とした知識で選んでしまう可能性があります。混同注意:特定の感染症やIgA腎症など、IgAが関連する他の疾患と混同する可能性があります。
- 2. IgA2も粘膜免疫に関与しますが、自己免疫性膵炎の病態と直接的な関連性は低く、血中濃度が特異的に上昇することはありません。正しくは:自己免疫性膵炎ではIgG4が上昇します。選びやすい理由:IgA1と同様に、免疫グロブリンのサブクラスであるため、知識が曖昧な場合に選択肢として考えてしまうかもしれません。混同注意:IgAのサブクラスに関する詳細な知識が不足している場合、混同しやすいです。
- 3. IgDはB細胞の表面に存在し、B細胞の活性化に関与する免疫グロブリンですが、血中の濃度は非常に低く、自己免疫性膵炎の診断マーカーとして上昇することは通常ありません。正しくは:自己免疫性膵炎ではIgG4が上昇します。選びやすい理由:他の免疫グロブリンと同様に、免疫系の構成要素の一つであるため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:IgDが関連する稀な疾患(例:IgD骨髄腫)と混同したり、一般的な免疫グロブリンの機能に関する知識と混同する可能性があります。
- 4. IgG2はIgGのサブクラスの一つで、主に莢膜を持つ細菌に対する免疫応答に関与しますが、自己免疫性膵炎で特異的に上昇するものではありません。正しくは:自己免疫性膵炎ではIgG4が上昇します。選びやすい理由:IgGのサブクラスであるため、IgG4との区別が不明確な場合、誤って選択する可能性があります。混同注意:IgGサブクラス間の機能的な違いや、どの疾患とどのIgGサブクラスが関連するかという知識が混同されやすいです。
- 5. 正解。自己免疫性膵炎は「IgG4関連疾患」の一つであり、多くの症例で血清IgG4濃度が上昇します。このIgG4の高値は自己免疫性膵炎の診断基準の一つにも含まれており、疾患活動性を示す指標としても用いられます。
国試ポイント
本問題は、自己免疫性膵炎という特定の疾患と、その診断に重要な血清マーカーであるIgG4との関連性について知識を問うものです。自己免疫性膵炎がIgG4関連疾患群に属するという基礎知識と、各免疫グロブリンのサブクラスの役割や病態との関連性を理解しているかを確認する狙いがあります。
混同注意
他の免疫グロブリンのサブクラス(IgG1, IgG2, IgG3など)や、他の自己免疫疾患における免疫グロブリンの異常上昇と混同しやすいです。特に、IgGの他のサブクラスとIgG4の役割や関連疾患を区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他のIgG4関連疾患の名称や、IgG4関連疾患の診断における血清IgG4値以外の検査所見(例:組織学的特徴)についても問われる可能性があります。また、IgG4の具体的な病態生理学的役割や、治療法(ステロイド治療など)に関する知識も重要です。
関連知識
IgG4関連疾患には、自己免疫性膵炎の他に、ミクリッツ病(IgG4関連唾液腺・涙腺炎)、IgG4関連腎臓病、後腹膜線維症、硬化性胆管炎などがあります。これらの疾患も血清IgG4の上昇を特徴とし、多臓器にわたる病変を呈することがあります。診断には血清IgG4値だけでなく、組織学的所見(IgG4陽性形質細胞の浸潤、花むしろ状線維化など)も重要です。