低栄養状態で高値を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
低栄養状態では、体内のエネルギー源を動員し、血糖値を維持するために成長ホルモンの分泌が促進されます。成長ホルモンは脂肪分解や糖新生を促進する作用があります。
選択肢ごとの解説
- 1. レプチンは主に脂肪細胞から分泌され、食欲抑制作用を持つホルモンです。低栄養状態では体脂肪が減少し、レプチンの分泌も低下します。正しくは:低栄養状態ではレプチンの血中濃度は低下します。選びやすい理由:ホルモンであるため、代謝異常との関連を想起しやすいかもしれません。混同注意:他の食欲関連ホルモン(グレリンなど)の作用と混同しやすいかもしれません。グレリンは低栄養で増加します。
- 2. アルブミンは肝臓で合成される主要な血漿タンパク質であり、栄養状態の指標として用いられます。低栄養状態、特にタンパク質摂取不足が続くと、アルブミンの合成が低下し、血中濃度は減少します。正しくは:低栄養状態ではアルブミンの血中濃度は低下します。選びやすい理由:栄養状態の指標として重要であるため、関連が深いと誤解しやすいかもしれません。混同注意:栄養状態の指標であることは正しいですが、その変化の方向性を誤解しやすいです。
- 3. 正解。成長ホルモンは、栄養状態が悪い(低栄養)環境下で、体内のエネルギー源を確保し、血糖値を維持するために分泌が促進されます。これは、脂肪分解や糖新生を促進する作用によるものです。選びやすい理由:成長ホルモンは成長促進のイメージが強く、低栄養で低下すると誤解しやすいかもしれませんが、実際には低栄養環境下でストレスホルモンとして作用し、エネルギー動員を促進します。
- 4. コリンエステラーゼは肝臓で合成される酵素であり、肝機能や栄養状態の指標となります。低栄養状態や肝機能障害がある場合、その合成が低下するため、血中濃度は減少します。正しくは:低栄養状態ではコリンエステラーゼの血中濃度は低下します。選びやすい理由:酵素活性が代謝と関連するため、一見正解のように見えますが、肝合成能低下を反映します。混同注意:これもアルブミンと同様に栄養状態の指標ですが、変化の方向性を誤解しやすいです。
- 5. 遊離トリヨードサイロニン (FT3) は甲状腺ホルモンの一種で、代謝を促進する作用があります。低栄養状態では、エネルギー消費を抑えるために甲状腺ホルモンの活性が低下し、FT3濃度も低下する傾向にあります(シックサイロイド症候群)。正しくは:低栄養状態では遊離トリヨードサイロニンの血中濃度は低下します。選びやすい理由:代謝に関わるホルモンであるため、関連が深いと考えやすいかもしれません。混同注意:甲状腺機能亢進症や低下症との関連で理解していると、低栄養での変化を見誤る可能性があります。
国試ポイント
低栄養状態における各種ホルモンや生体成分の変動について、その変化の方向性と生理的意義を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、一見矛盾するように見える(成長促進のイメージがある成長ホルモンが低栄養で増加する)現象を理解しているかが重要です。
混同注意
レプチン(食欲抑制ホルモン、低栄養で低下)、アルブミン(栄養指標、低栄養で低下)、コリンエステラーゼ(肝機能・栄養指標、低栄養で低下)、甲状腺ホルモン(代謝促進、低栄養で低下)など、他の栄養関連因子と成長ホルモンの変動を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
低栄養状態だけでなく、肥満や特定の疾患(肝疾患、腎疾患など)における各種ホルモンや生体成分の変動についても、そのメカニズムと臨床的意義を理解しているかを確認します。
関連知識
成長ホルモンの生理作用、レプチンとグレリンの役割、タンパク質マーカー(アルブミン、トランスフェリン、プレアルブミンなど)の臨床的意義、甲状腺ホルモンの代謝調節、シックサイロイド症候群。