末期慢性腎不全で認められるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
末期慢性腎不全では腎臓の機能が著しく低下しており、体内の電解質バランスが大きく乱れます。特に、腎臓での活性型ビタミンD産生低下と高リン血症により「低カルシウム血症」をきたします。また、腎臓の水分排泄能力の低下により体液量が増加し、血液が希釈されることで「低ナトリウム血症」がみられることがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 末期慢性腎不全では、腎臓からのリン排泄能力が著しく低下するため、血液中のリン濃度が上昇し、高リン血症となるのが一般的です。正しくは:高リン血症選びやすい理由:初期の慢性腎臓病ではリン排泄能力が比較的保たれていることや、他の電解質異常との混同から誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:高リン血症。また、他の電解質(カリウム、カルシウム、ナトリウムなど)の異常と混同されることがあります。
- 2. 末期慢性腎不全では、腎臓によるカリウムの排泄機能が著しく低下するため、体内にカリウムが蓄積し、高カリウム血症を呈することが多いです。正しくは:高カリウム血症選びやすい理由:特定の利尿薬の使用や消化器症状などにより低カリウム血症になる可能性もゼロではありませんが、末期腎不全の一般的な特徴としては高カリウム血症がよく知られています。混同注意:高カリウム血症。
- 3. 正解。末期慢性腎不全では、腎臓における活性型ビタミンDの産生が低下するため、腸管からのカルシウム吸収が抑制されます。さらに、高リン血症によってリンとカルシウムが結合し、血中カルシウム濃度が低下します。
- 4. 正解。末期慢性腎不全では、腎臓の水分排泄能力が低下し、体内の水分量が増加することで血液が希釈され、希釈性低ナトリウム血症を呈することがあります。また、食事摂取量の低下や透析によるナトリウム喪失も原因となることがあります。
- 5. 末期慢性腎不全では、腎臓からのマグネシウム排泄機能が低下するため、血液中のマグネシウム濃度が上昇し、高マグネシウム血症となるのが一般的です。正しくは:高マグネシウム血症選びやすい理由:マグネシウムの吸収と排泄は複雑なバランスで成り立っているため、他の電解質と同様に異常が起こりやすいと考えるかもしれません。また、他の電解質異常との混同も考えられます。混同注意:高マグネシウム血症。他の電解質異常。
国試ポイント
末期慢性腎不全において高頻度に認められる主要な電解質異常(特に低カルシウム血症と低ナトリウム血症)とその病態生理を正確に理解しているか、また、その他の電解質異常(高カリウム血症、高リン血症、高マグネシウム血症)との区別ができるかどうかが問われています。
混同注意
慢性腎臓病の病期による電解質異常の変化(特に初期と末期での違い)、他の疾患における電解質異常(例:副甲状腺機能低下症での低カルシウム血症、SIADHでの低ナトリウム血症)、および透析導入後の電解質管理との混同が考えられます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、腎臓の機能低下が、各電解質の代謝(吸収・排泄)にどのように影響するかを、具体的な病態生理のメカニズムと関連付けて理解しているかを確認しましょう。特に「排泄低下」と「産生低下」による影響を区別して考えることが重要です。
関連知識
腎臓における電解質(K, Na, Ca, P, Mg)の再吸収・分泌メカニズムと、活性型ビタミンDの産生部位と役割を理解することが重要です。また、腎性骨症の病態生理、高リン血症・高カリウム血症・高マグネシウム血症の臨床的意義と症状、慢性腎臓病のステージ分類と各ステージで起こりうる合併症についての知識も関連します。