病気の解説
慢性腎不全
受診の目安
慢性腎不全では、初期には夜間の排尿、疲労感、倦怠感、貧血などの症状が現れます。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、腎臓内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
慢性腎不全は、腎臓が血液をろ過して老廃物を取り除く機能が数ヵ月から数年かけて徐々に低下した状態を指します。腎機能が正常の約3分の1以下に低下すると、さまざまな影響が現れます。腎機能が低下すると血液の酸性が強くなり、貧血が起き、神経や骨の状態に影響が出ることがあります。腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状が少ない時期が長いのが特徴です。急性腎不全は治療によって回復の可能性がありますが、慢性腎不全では回復は見込めません。末期腎不全では透析療法や腎移植が必要になることがあります。慢性腎不全は病名というより、腎臓の機能が低下した状態を指します。軽度の機能低下の段階では回復の余地があり、早めの対策が望まれます。
主な症状
初期には夜間の排尿、疲労感、倦怠感、貧血などの症状が現れます。腎機能の低下が進むと、吐き気や食欲不振、むくみ、かゆみ、皮膚の色素沈着、呼吸困難、高血圧などの尿毒症と呼ばれる症状が出ることがあります。けいれんや感覚の喪失、手足のしびれといった神経症状、心不全や肺水腫などの合併症も懸念されます。骨がもろくなり、骨折が起こりやすくなることもあります。
原因
慢性腎不全の原因としては、糖尿病による糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症など、さまざまな腎臓疾患が挙げられます。
検査と診断
診断
診断には血液と尿の検査が不可欠です。血液検査で腎機能の状態を確認し、急性か慢性かを判断します。超音波検査などで腎臓の形や血管、ほかの部位の異常を確認します。腎機能低下が認められた場合には腎臓の組織検査を行うことがあります。組織検査は背中から針を刺して腎組織を採取し、原因となっている病気を診断します。
治療
治療
一度低下した腎機能を元に戻すことはできません。腎機能のさらなる低下や腎不全の合併症を予防し、透析へ移行を遅らせる対策を行います。薬物療法や食事療法のほか、腎臓の負担を減らす日常生活の工夫も重要です。慢性腎不全には特効薬がなく、降圧薬・利尿薬・免疫抑制剤・漢方薬などを使用する場合があります。必要に応じて心不全や貧血の治療薬を使うこともあります。食事はタンパク質・塩分・カリウム・リンの摂取量を調整し、適切なカロリーと水分を保つことが基本です。末期腎不全では透析療法や腎移植が選択されます。日常生活では過度の運動を避け、過労を避け、冷えや感染予防、脱水予防に注意します。
経過と生活
予防
治療を受けても病状が進行することが多いですが、腎機能の低下の速さは原因とコントロールの程度で変わります。慢性腎不全は自覚症状がないまま進行することがあるため、タンパク尿や血尿が見られた場合は医師に相談します。糖尿病や高血圧はリスク要因となるため、生活習慣の改善が予防につながります。
腎臓内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: 慢性腎不全(症状・原因・治療など)|ドクターズ・ファイル(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。