結核性髄膜炎の髄液所見として正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
結核性髄膜炎は慢性炎症の一種であり、髄液中の細胞構成は単核球(主にリンパ球)の増加が特徴的です。一方、糖は細菌によって消費され低下し、蛋白は炎症により増加します。クロールも低下します。アデノシンデアミナーゼ(ADA)活性は、結核性炎症でリンパ球が活性化することにより著しく上昇するため、診断に有用なマーカーとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 結核性髄膜炎では、髄液中の糖は細菌が消費するため通常低下します。正しくは:髄液中の糖濃度の低下選びやすい理由:一般的な炎症反応で糖が増加すると誤解するかもしれませんが、細菌性髄膜炎では細菌による糖の消費が特徴です。混同注意:ウイルス性髄膜炎では糖は正常範囲内であることが多いため、その違いと混同しやすいです。
- 2. 結核性髄膜炎では、炎症による血管透過性の亢進や細胞浸潤のため、髄液中の総蛋白量は増加します。正しくは:髄液中の総蛋白量の増加選びやすい理由:他の疾患で蛋白が減少する場合もあるため、知識が曖昧だと誤って選んでしまうかもしれません。混同注意:特発性頭蓋内圧亢進症など、髄液蛋白が正常またはやや低下する病態と混同しやすいです。
- 3. 正解。結核性髄膜炎は慢性炎症反応であり、主に単核球(リンパ球)の増加が特徴的です。初期には多核球が増加することもありますが、典型的な所見は単核球優位です。選びやすい理由:急性細菌性髄膜炎の初期には好中球(多核球)が増えるため、その違いを理解しているかが問われます。
- 4. 結核性髄膜炎では、全身のクロール濃度低下に加えて、髄液中へのクロール移行障害により、髄液クロール濃度は低下します。正しくは:髄液中のクロール(Cl)濃度の低下選びやすい理由:電解質の変化について知識が不足していると、誤った選択をしてしまう可能性があります。混同注意:他の電解質異常や、血液中のクロール濃度と混同しやすいです。
- 5. 結核性髄膜炎では、結核菌に対する免疫応答としてリンパ球が活性化し、アデノシンデアミナーゼ(ADA)活性は著しく上昇します。ADAは特に結核性胸膜炎や結核性髄膜炎の診断マーカーとして用いられます。正しくは:アデノシンデアミナーゼ(ADA)活性の上昇選びやすい理由:ADA自体が結核のマーカーであることを知っていても、上昇するのか低下するのかまで正確に覚えていないと誤ってしまいます。混同注意:他の酵素活性の測定値や、特定の疾患で低下するマーカーと混同しやすいです。
国試ポイント
結核性髄膜炎の髄液所見に関する基本的な知識、特に細胞の種類(単核球優位)と主要な生化学的マーカー(糖、蛋白、ADA)の変化を正確に理解しているかが問われます。急性細菌性髄膜炎との鑑別点も重要です。
混同注意
急性細菌性髄膜炎(好中球優位、著明な糖低下、著明な蛋白増加)、ウイルス性髄膜炎(細胞数軽度増加、単核球優位、糖・蛋白ほぼ正常)との鑑別。特に、結核性髄膜炎の初期に多核球が増える場合があるため、典型的な所見と鑑別が重要。
次に同じ論点が出たら
結核性髄膜炎と他の髄膜炎(細菌性、ウイルス性、真菌性、癌性など)の典型的な髄液所見を比較し、鑑別点を明確に区別できるか。
関連知識
ADAの診断的意義(特に結核性胸膜炎、髄膜炎)、髄液の性状と各種髄膜炎の鑑別診断、髄液検査の項目ごとの意義(細胞数、細胞分類、糖、蛋白、クロール、ADAなど)。