保健所に仕出し弁当の食中毒発生の通報があった。喫食調査の結果を以下に示す。 原因として最も考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
表から、食品ごとに摂取した人の発症率と摂取しなかった人の発症率を比べます。野菜は摂取者95人中85人(約89%)が発症し、非摂取者65人中15人(約23%)の発症にとどまるため、発症率の差・比(約3.9倍)が最も大きく、原因として最も考えられます(公式正答2)。卵焼きは75%と25%(3.0倍)、鶏の唐揚げは約78%と約43%、果物は70%と50%、煮魚は約64%と50%で、野菜ほどの差はありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 煮魚の発症率は、摂取者140人中90人(約64%)、非摂取者20人中10人(50%)で、差が小さく原因とは考えにくいです。選びやすい理由:もし加熱が不十分であったり、調理後に二次汚染された場合は原因となる可能性もありますが、一般的な状況では野菜よりも優先度は低いです。混同注意:他の選択肢と比較して、食中毒の原因としての優先順位が低いことを理解する。
- 2. 正解。野菜の発症率は、摂取者95人中85人(約89%)、非摂取者65人中15人(約23%)で、5品目の中で差・比が最も大きく、原因として最も考えられます。選びやすい理由:野菜が加熱調理されていた場合、そのリスクは低減しますが、一般的に弁当に含まれる野菜は生野菜サラダや和え物など、加熱が不十分なものも含まれるため、食中毒の原因として考えられます。混同注意:野菜がどのように食中毒の原因となるか(生食、不十分な洗浄、二次汚染など)を理解する。
- 3. 果物の発症率は、摂取者100人中70人(70%)、非摂取者60人中30人(50%)で、差が小さいです。選びやすい理由:果物も生で摂取されるため、汚染のリスクがないわけではありませんが、一般的な仕出し弁当の状況では、調理工程の多い野菜や卵焼きなどに比べて、原因となる可能性は低いと判断されます。混同注意:果物と野菜の汚染経路やリスクの違いを明確にする。
- 4. 卵焼きの発症率は、摂取者120人中90人(75%)、非摂取者40人中10人(25%)で差はありますが、野菜(約89%と約23%)ほど大きくありません。選びやすい理由:卵は食中毒の原因食品としてよく知られていますが、卵焼きの場合は加熱の有無が重要です。加熱が十分であれば原因となる可能性は低いです。混同注意:卵そのもののリスクと、卵を調理した食品(卵焼き)の加熱状況によるリスクの違いを理解する。
- 5. 鶏の唐揚げの発症率は、摂取者90人中70人(約78%)、非摂取者70人中30人(約43%)で、野菜ほどの差はありません。選びやすい理由:鶏肉は食中毒の原因となる食材ですが、唐揚げは高温で調理されるため、加熱不良がなければ原因となる可能性は低いです。もし加熱不足や調理後の不適切な取り扱いがあれば可能性はあります。混同注意:鶏肉そのもののリスクと、十分に加熱された調理品のリスクの違いを理解する。
国試ポイント
食中毒の原因食品として、加熱処理の有無や交差汚染のリスクを考慮して、可能性の高い食品を特定する能力が問われる。特に生食される食品や、調理過程で微生物汚染を受けやすい食品に注意が必要である。
混同注意
生食される果物も汚染リスクがありますが、皮を剥くなどして喫食される場合が多く、一般的に野菜(特に葉物野菜など)と比較して、全体的なリスクはやや低い傾向にあります。また、卵や鶏肉は原因菌を持つ可能性が高いですが、十分に加熱調理されていればリスクは大幅に減少します。この問題では、一般的な仕出し弁当の調理・提供状況を想定して判断することが重要です。
次に同じ論点が出たら
喫食調査の結果(どの食品を食べた人が発症したか)が具体的に示されていれば、より正確な判断が可能となる。また、食中毒の原因物質や菌が特定された場合には、その菌の特性と一般的な原因食品とを照合する。
関連知識
サルモネラ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌O157、ノロウイルスなど、主要な食中毒原因菌とその主な原因食品および感染経路。食品の加熱殺菌の重要性、二次汚染の防止策、HACCPの考え方。