化膿性髄膜炎を疑う髄液所見として誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
化膿性髄膜炎では、細菌が髄液中の糖を代謝・消費し、さらに炎症により血液脳関門の糖輸送機能が障害されるため、髄液中の糖濃度は著しく低下します。そのため、髄液糖/血糖比は「低下」するのが特徴であり、「上昇」という記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 化膿性髄膜炎では、多数の白血球(特に好中球)や細菌、フィブリンなどにより髄液が混濁することが特徴的な所見であるため、これは正しい所見です。
- 2. 炎症による細胞破壊や白血球からの逸脱により、化膿性髄膜炎では髄液中のLD値が上昇します。
- 3. 炎症により血液脳関門の透過性が亢進するため、化膿性髄膜炎では髄液中のタンパク質濃度が上昇します。
- 4. 細菌感染による化膿性炎症では、好中球(多形核白血球)が主要な炎症細胞であるため、髄液中の多形核白血球の割合が著しく上昇します。
- 5. 正解。化膿性髄膜炎では、細菌が糖を消費する上、炎症によって血液脳関門の糖輸送能が低下するため、髄液中の糖濃度は低下します。その結果、髄液糖/血糖比は「低下」するのが特徴であり、「上昇」は誤りです。正しくは:髄液糖/血糖比が低下している。選びやすい理由:「血糖値が高ければ髄液糖も高くなるのでは?」と誤解し、相対比率の変化を読み違える可能性があります。また、炎症による変化をすべて「上昇」と捉えてしまう単純なミスも考えられます。混同注意:ウイルス性髄膜炎や結核性髄膜炎の一部では髄液糖/血糖比が比較的保たれることがあるため、それらとの鑑別点で混同する可能性があります。特にウイルス性髄膜炎では髄液糖は正常範囲内か軽度低下のことが多いです。
国試ポイント
化膿性髄膜炎(細菌性髄膜炎)とその他の髄膜炎(特にウイルス性髄膜炎)における主要な髄液所見の鑑別を理解しているか。特に、細胞数、細胞の種類(多形核球/単核球)、タンパク質濃度、糖濃度、LD値などの基本的な変化を正確に記憶しているかが問われます。
混同注意
ウイルス性髄膜炎や結核性髄膜炎の髄液所見。ウイルス性髄膜炎では単核球優位、髄液糖は正常〜軽度低下、蛋白は軽度上昇。結核性髄膜炎では単核球優位、髄液糖は低下、蛋白は著明上昇といった違いがあります。特に、糖濃度に関して、細菌性のみが顕著な低下を示す点を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
各髄膜炎の初期段階と進行期における髄液所見の変化。鑑別診断において特に重要な指標(例:糖濃度、細胞の種類と数)に注目する。髄液所見だけでなく、臨床症状や画像診断なども含めた総合的な診断プロセスを問う問題。
関連知識
髄膜炎の種類(細菌性、ウイルス性、真菌性、結核性など)ごとの髄液所見(外観、細胞数、細胞の種類、タンパク質濃度、糖濃度、LD、乳酸など)の比較と鑑別。血液脳関門の機能と、炎症によるその透過性変化。髄液検査の意義と、各項目の臨床的解釈。