統合失調症で入院が必要と診断されたが、本人が入院を拒んだため、父親の同意によって入院させた。この場合の入院形態はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
精神保健福祉法における医療保護入院は、精神保健指定医が入院を必要と判断し、患者本人が同意しない場合でも、特定の家族等(保護者)の同意があれば入院をさせることができる制度です。本問題の状況は、この医療保護入院の要件(統合失調症による入院必要性、本人の拒否、家族の同意)に完全に合致しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 応急入院は、精神保健指定医が入院が必要と判断し、かつ、本人の同意も家族の同意も得られない場合に、72時間以内の期間で入院させる形態です。本ケースでは父親の同意が得られています。正しくは:この入院形態が適用されるのは「家族の同意が得られない」という条件が満たされた場合です。選びやすい理由:「緊急性がある」という漠然としたイメージや、本人の同意がない点から選んでしまう可能性があります。混同注意:医療保護入院と似て「本人の同意がない」点や、緊急措置入院と似て「緊急性」がある点で混同しやすいですが、決定的な違いは『家族の同意の有無』です。
- 2. 措置入院は、精神疾患により『自傷他害のおそれがある』と認められた場合に、知事の命令によって行われる入院です。本ケースでは自傷他害のおそれについての記述はありません。正しくは:この入院形態が適用されるのは「自傷他害のおそれがある」という条件が満たされた場合です。選びやすい理由:患者本人が入院を拒否している状況から、『強制力のある入院』として措置入院を選んでしまうかもしれません。混同注意:医療保護入院も本人の同意がない点は同じですが、措置入院は『自傷他害のおそれ』が必須要件であり、家族の同意は不要です。
- 3. 任意入院は、患者本人の同意に基づいて行われる入院です。本ケースでは、患者本人が入院を拒否しています。正しくは:この入院形態が適用されるのは「本人の同意がある」という条件が満たされた場合です。選びやすい理由:最も一般的な入院形態であるため、無意識に選んでしまう可能性があります。混同注意:入院形態の基本ですが、本人の同意があるかどうかが決定的な違いです。
- 4. 正解。医療保護入院は、精神疾患のために専門医が入院の必要性を認め、患者本人が入院を拒否している場合でも、家族等の同意があれば入院させることができる形態です。本ケースの「統合失調症で入院が必要と診断」「本人が拒否」「父親の同意」という条件に完全に合致します。
- 5. 緊急措置入院は、措置入院と同様に「自傷他害のおそれが著しい」状況で、緊急を要し、知事による措置入院の決定を待てない場合に行われる72時間以内の入院です。本ケースでは自傷他害のおそれや緊急性が強調されていません。正しくは:この入院形態が適用されるのは「自傷他害のおそれが著しい」かつ「緊急性がある」という条件が満たされた場合です。選びやすい理由:「緊急」という言葉から、本人が拒否している状況を緊急と捉えて選んでしまう可能性があります。混同注意:措置入院との違いは緊急性の有無と期間です。医療保護入院との違いは、自傷他害の危険性とそのために家族の同意が不要となる点です。
国試ポイント
精神保健福祉法に定められた各種入院形態の定義と、それぞれの要件(誰が同意するか、どのような状況で適用されるか、期間など)を正確に理解しているかが問われます。特に、本人の同意の有無、家族の同意の有無、自傷他害の危険性の有無が区別のポイントとなります。
混同注意
医療保護入院、措置入院、応急入院、緊急措置入院は、本人の同意がないという共通点があるため混同しやすいです。それぞれ「家族の同意の有無」「自傷他害の危険性の有無」「緊急性」「期間」で明確に区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、「本人の同意は?」「家族の同意は?」「自傷他害の危険性は?」の3点をまず確認し、それに合わせて入院形態を判断する。特に「家族の同意があるが、本人は拒否」がキーワードとなります。
関連知識
精神保健指定医の役割、保護者の定義(配偶者、親権者、扶養義務者など)、医療保護入院における退院請求制度、入院中の権利擁護についても関連知識として押さえておくと良いでしょう。