病気の解説

IgA腎症

別名:ベルジェ病

まず相談する診療科腎臓内科
関係する症状血尿
この解説の項目8項目

受診の目安

  • 学校や職場、健診の尿検査で「血尿」「たんぱく尿」を指摘されたとき(症状がなくても)
  • かぜやのどの痛み、胃腸炎などのときに、尿がピンク色やコーラのような色になったとき
  • 尿の泡立ちが目立つ、足やすねがむくむとき
  • 健診で血圧の高さや腎臓の働きの低下を指摘されたとき

相談先は腎臓内科(まずはかかりつけの内科でも可)、子どもの場合は小児科です。血尿やむくみはさまざまな病気で起こり、これらの症状だけでIgA腎症かどうかはわかりません(NIDDK)。確かな診断には腎臓の組織を調べる検査が必要です(難病情報センター)。

基本

IgA腎症とは

腎臓で血液をろ過する「糸球体」という部分に、IgAという免疫に関わるたんぱく質がたまり、炎症が起こる病気です(難病情報センター)(NIDDK)。その結果、尿に血液やたんぱくがもれ出し、長い年月をかけて腎臓の働きが少しずつ落ちていくことがあります(NIDDK)。日本では、腎臓の組織検査で診断される病気の中で最も多いとされ、子どもから大人まで幅広い年代にみられます(難病情報センター)。国の指定難病の一つです(難病情報センター)。

主な症状

初めのうちは自覚症状がないことが多く、尿検査で偶然見つかるのが一般的です(難病情報センター)。症状が何年も出ないこともあります(NIDDK)。

  • 目で見てわかる血尿:扁桃炎などのどの感染症や腸炎にかかったときに、尿が赤っぽく、またはコーラ色になることがあります(難病情報センター)(NIDDK)。
  • 尿の泡立ち:尿にたんぱくが多く出ると、泡立ちが目立つことがあります(NIDDK)。
  • むくみ:足首や足などがむくむことがあります(NIDDK)。
  • 進んだ場合:腎臓の働きが落ちると、高血圧や腎不全に伴う症状が出てきます(難病情報センター)。

原因・なりやすい要因

はっきりした原因はわかっていません。腎臓にたまるIgAは、血液中にある性質の異なるIgA(糖鎖の異常なIgA)に由来すると考えられています(難病情報センター)。遺伝子と環境の両方が関わる可能性があります(NIDDK)。

一般には遺伝する病気ではありませんが、家族内で起こる例も一部にあります(難病情報センター)。家族にIgA腎症の人がいることは、なりやすさに関わる要因の一つとされます(NIDDK)。

検査と診断

診断

尿検査や血液検査で、尿の異常や腎臓の働きを調べます(NIDDK)。そのうえで、IgA腎症と確定するには、腎臓の組織を少し採って顕微鏡で調べる「腎生検」が必要です(難病情報センター)(NIDDK)。腎生検では、IgAがたまっているかどうかに加え、腎臓の傷み具合もわかり、今後の見通しや治療方針を考える手がかりになります(NIDDK)。

治療

治療

根本的に治す方法はまだ確立していませんが、治療によって腎臓の傷みを防いだり遅らせたりすることが目標になります(NIDDK)。治療内容は、腎臓の働きやたんぱく尿の程度によって変わります(難病情報センター)。

  • 食事:減塩が基本で、むくみや血圧の改善にも役立つとされます(難病情報センター)(NIDDK)。腎臓の働きが落ちている場合は、たんぱく質を控えることが必要になる場合があります(難病情報センター)。
  • 血圧を下げる薬:高血圧がある場合に、腎臓を守る働きもある種類の降圧薬(RA系阻害薬)が使われます(難病情報センター)(NIDDK)。
  • 炎症や免疫を抑える治療:患者さんによって、ステロイド薬や免疫抑制薬が使われることがあります(難病情報センター)(NIDDK)。日本では、のどの扁桃を取る手術(口蓋扁桃摘出術)が選ばれることもあります(難病情報センター)。
  • 腎臓の働きが大きく落ちた場合:透析や腎移植が必要になります(難病情報センター)(NIDDK)。

病気の仕組みに基づく新しい薬の研究も進められています(難病情報センター)(NIDDK)。

日常生活の注意・セルフケア

生活上の注意は、主治医の指示を優先してください。

  • たばこを吸う人には禁煙が、肥満のある人には減量が勧められています(難病情報センター)(NIDDK)。
  • 運動制限は通常は必要ないとされますが、医師の指示に従うことが大切です(難病情報センター)。
  • 食事の見直しは自己流ではなく、医師や管理栄養士の指導のもとで行います(NIDDK)。

経過と生活

経過

経過は人によって大きく異なります。たんぱく尿や血尿が軽く合併症のない人は、腎臓の働きが落ちずに安定していることが多い一方、ゆっくり進んで腎臓の働きが徐々に低下する人もいます(難病情報センター)(NIDDK)。進行すると、慢性腎臓病やネフローゼ症候群、腎不全につながることがあり、慢性腎臓病は心臓病や脳卒中の危険も高めます(NIDDK)。早く見つけて、定期的に検査を続けることが大切です。

IgA腎症と関係する症状

症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。

腎臓内科で扱うほかの病気

国家試験での出題

医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。

出典

難病情報センター「IgA腎症(指定難病66)」 / NIDDK「IgA Nephropathy」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。