閉塞性動脈硬化症〈ASO〉について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
閉塞性動脈硬化症(ASO)は、主にコレステロールなどの脂質が動脈壁に蓄積して形成されるアテローム(粥腫)が原因となり、動脈の内腔が狭窄・閉塞することで発症します。これはアテローム性動脈硬化と呼ばれる現象です。
選択肢ごとの解説
- 1. 閉塞性動脈硬化症は、主に下肢の大血管(大動脈、腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈など)に発生します。上肢の動脈に発生することは稀です。正しくは:下肢の動脈に好発する。選びやすい理由:動脈硬化という言葉から全身の動脈疾患を連想し、橈骨動脈も動脈であるため誤って選択する可能性があります。混同注意:バージャー病(閉塞性血栓性血管炎)は中小動脈に起こりますが、ASOは主に大動脈・大血管に起こる点で異なります。
- 2. 正解。閉塞性動脈硬化症(ASO)は、動脈壁にコレステロールなどが沈着して形成されるアテローム(粥腫)によって動脈の内腔が狭窄・閉塞することにより発症する疾患です。これはアテローム性動脈硬化の一部です。
- 3. 閉塞性動脈硬化症では、動脈の狭窄や閉塞により血流が阻害されるため、末梢組織への血流量は減少します。血流不足により虚血症状が現れます。正しくは:末梢の血流量が減少する。選びやすい理由:血流のうっ滞が起こるイメージから、一時的に血流が増えるような誤解が生じる可能性があります。混同注意:炎症による一時的な血流増加と混同する可能性がありますが、器質的な閉塞による血流減少が本質です。
- 4. 閉塞性動脈硬化症の主要症状の一つに間欠性跛行があります。これは、歩行などの運動時に筋肉への血流が不足して痛みが生じ、休息することで痛みが和らぐ症状です。歩行によって痛みが改善することはありません。正しくは:歩行によって痛みが生じ、休息によって改善する(間欠性跛行)。選びやすい理由:運動療法が推奨されることもあるため、運動で痛みが改善するという誤解が生じる可能性がありますが、それは症状のない時期の血流改善を目的としたものであり、発作時の痛みの改善ではありません。混同注意:関節炎などで運動によって痛みが軽減するケースと混同する可能性があります。
- 5. 中小動脈の非化膿性炎症で生じるのは、主にバージャー病(閉塞性血栓性血管炎)の特徴です。閉塞性動脈硬化症は、アテローム性動脈硬化を基盤とする器質的な動脈の狭窄・閉塞であり、炎症が主たる原因ではありません。正しくは:アテローム性動脈硬化によって発生する。選びやすい理由:動脈硬化と炎症が関連することはありますが、ASOの直接的な原因はアテロームの沈着であり、バージャー病と混同しやすい選択肢です。混同注意:バージャー病と閉塞性動脈硬化症の鑑別点であり、両者の原因病態を理解しているか問う選択肢です。
国試ポイント
閉塞性動脈硬化症の基本的な病態生理、好発部位、典型的な症状(間欠性跛行)を理解しているかが問われます。特にアテローム性動脈硬化との関連性、およびバージャー病との鑑別は重要です。
混同注意
バージャー病(閉塞性血栓性血管炎)との混同。バージャー病は主に若年男性喫煙者に多く、中小動脈の炎症が原因ですが、ASOは高齢者に多く、大動脈・大血管のアテローム性硬化が原因です。また、好発部位や症状の悪化機序(間欠性跛行)の理解も重要です。
次に同じ論点が出たら
ASOの治療法(薬物療法、運動療法、カテーテル治療、バイパス手術)や看護介入について問われる可能性がある。特に患者指導(禁煙、フットケア)は重要。
関連知識
動脈硬化の種類(アテローム性、細動脈硬化、メンケベルグ型)、脂質異常症、糖尿病、高血圧との関連性、危険因子、下肢虚血の評価方法(ABI:足関節上腕血圧比)。