急性大動脈解離において緊急手術を行うかどうかの観点で用いる分類はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
急性大動脈解離において緊急手術の適応を判断する上で最も重要な分類はスタンフォード分類です。スタンフォードA型(上行大動脈に解離がある場合)は破裂のリスクが高く、基本的に緊急手術の適応となります。一方、スタンフォードB型(上行大動脈に解離がない場合)は原則として保存的治療が選択されます。DeBakey分類も大動脈解離の分類ですが、緊急手術の要否の判断においてはスタンフォード分類がより実用的です。
選択肢ごとの解説
- 1. NYHA分類は心不全の重症度を評価するために用いられ、急性大動脈解離における緊急手術の適応とは直接関係ありません。正しくは:心不全患者の症状に基づく活動制限の程度を評価する分類です。選びやすい理由:循環器系の疾患に関連するため、一見正解のように見えるかもしれません。混同注意:他の循環器疾患の分類と混同しやすいです。
- 2. 正解。スタンフォード分類は急性大動脈解離の病型を、解離が上行大動脈に及んでいるかどうかでA型とB型に分けます。A型(上行大動脈に解離がある場合)は一般的に緊急手術の適応となるため、治療方針の決定に非常に重要です。正しくは:急性大動脈解離において、上行大動脈の関与の有無により治療方針(特に手術適応)を決定するための分類です。選びやすい理由:大動脈解離の分類として有名であるため、知っていれば選びやすいです。混同注意:ドベーキー分類と混同しやすいですが、緊急手術の適応を問う設問ではスタンフォード分類がより直接的です。
- 3. Killip分類は急性心筋梗塞に伴う心不全の重症度を評価するために用いられる分類であり、急性大動脈解離の手術適応とは異なります。正しくは:急性心筋梗塞後の心不全の重症度を評価する分類です。選びやすい理由:「急性」の疾患で「心臓」に関連するため、誤解しやすいです。混同注意:NYHA分類や他の心臓疾患の重症度分類と混同しやすいです。
- 4. DeBakey分類も急性大動脈解離の病型分類の一つですが、解離の起始部位と広がりによってI、II、III型に分けます。緊急手術の適応を判断する際には、上行大動脈の関与の有無が重要となるスタンフォード分類の方がより直接的に用いられます。正しくは:急性大動脈解離の解離部位と範囲を示す分類です。選びやすい理由:スタンフォード分類と同様に大動脈解離の分類であるため、非常に迷いやすい選択肢です。混同注意:スタンフォード分類と混同しやすいですが、緊急手術の観点ではスタンフォード分類がより優先されます。
- 5. Forrester分類は急性心筋梗塞に伴う血行動態の分類であり、心係数と肺動脈楔入圧を用いて、主にショックの状態を評価するものです。急性大動脈解離の緊急手術の適応を直接判断する分類ではありません。正しくは:急性心筋梗塞における血行動態を評価する分類です。選びやすい理由:こちらも「急性」や「心臓」に関連する分類であり、誤解を招きやすいです。混同注意:他の心機能評価分類や循環動態の分類と混同しやすいです。
国試ポイント
急性大動脈解離における病型分類とその治療方針(特に緊急手術の適応)を理解しているかが問われています。複数の分類が存在するため、それぞれの特徴と臨床的意義を区別できる必要があります。
混同注意
スタンフォード分類とDeBakey分類は、どちらも大動脈解離の分類であり、特に混同しやすいです。緊急手術の適応の観点ではスタンフォード分類(A型かB型か)がより直接的な指標となります。
次に同じ論点が出たら
今後この論点が出題された場合、各分類の適用疾患と、特に急性大動脈解離におけるスタンフォード分類A型・B型の具体的な治療方針(手術か保存的治療か)について、より深く問われる可能性があります。
関連知識
・NYHA分類:慢性心不全の重症度 ・Killip分類:急性心筋梗塞に伴う心不全の重症度 ・Forrester分類:急性心筋梗塞時の血行動態分類(心係数、肺動脈楔入圧) ・DeBakey分類:大動脈解離の解離部位と範囲による分類(I型、II型、III型)