Aさん(63歳、男性)。BMI 24。前立腺肥大症のため経尿道的前立腺切除術を受け、手術後3日で膀胱留置カテーテルが抜去された。数日後に退院する予定である。Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
経尿道的前立腺切除術後は、尿路感染症の予防や血尿・凝血塊形成の防止のために水分摂取を促すことが重要です。また、排便時の強いいきみは腹圧を上昇させ、術後の出血や創部への負担を高めるため、避けるべき指導内容となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 術後回復期には、医師の指示に従い、無理のない範囲で活動量を徐々に増やしていくことが推奨されます。散歩は軽い運動であり、血行促進や回復を助ける効果があるため、完全に控える必要はありません。正しくは:退院後、体調に合わせて無理のない範囲で散歩などの軽い運動は徐々に再開しても良いことを伝える。選びやすい理由:術後の合併症や出血を心配して、活動を制限すべきだと考えるかもしれない。混同注意:激しい運動の制限と、一般的な運動の制限とを混同している可能性がある。完全に安静にする期間は急性期であり、退院指導の段階では回復を促す活動が重要になる。
- 2. 正解。経尿道的前立腺切除術後、膀胱や尿道の炎症を軽減し、尿路感染症の予防、また血尿の希釈と凝血塊の形成防止のために、十分な水分摂取は非常に重要です。選びやすい理由:水分の摂りすぎが頻尿につながるのではないかと誤解することがある。
- 3. 経尿道的前立腺切除術後、短時間の座位は問題ありません。長時間の座位が特に禁忌とされることは稀です。むしろ長時間の臥床は血栓形成のリスクを高めることもあります。ただし、会陰部に負担がかかるような姿勢は避けるべきですが、一般的な座位であれば制限は不要です。正しくは:短時間の座位は問題ないことを伝え、適度に体位変換や軽い活動を取り入れるよう指導する。選びやすい理由:術後、前立腺や膀胱周辺への負担を軽減するために、座位を制限すべきと考えるかもしれない。混同注意:会陰部への直接的な圧迫や、術創への負荷がかかる特定の姿勢(例:自転車に乗るなど)と、一般的な座位を混同している可能性がある。
- 4. 術後のカテーテル抜去後でも、尿道や膀胱に炎症や創傷が残っている可能性があります。感染予防のため、しばらくの間はシャワー浴が推奨され、湯船に浸かる入浴(特に長時間の入浴)は避けるべきです。医師の許可が出てから再開します。正しくは:感染予防のため、しばらくはシャワー浴とし、湯船に浸かる入浴は医師の指示があるまで控えるよう指導する。選びやすい理由:リラックス効果を期待して、湯船に浸かることを勧めたくなるかもしれない。混同注意:清潔保持の重要性と、感染リスクのある状態での湯船入浴の禁忌を混同している。
- 5. 正解。排便時の強いいきみは腹圧を上昇させ、骨盤内の血管に負担をかけ、術後の出血や創部への影響、不快感のリスクを高めます。そのため、便秘を避け、排便時にいきまないように指導することは非常に重要です。選びやすい理由:特に問題ないと考えてしまうことがある。
国試ポイント
経尿道的前立腺切除術後の退院指導における、患者の日常生活上の注意点、特に感染予防、出血予防、回復促進の視点から、適切な行動と避けるべき行動を正確に理解しているかを問う問題です。基本的な術後管理の知識が求められます。
混同注意
術後の安静度、活動制限、清潔保持の方法、排泄管理に関する一般的な原則と、特定の術式(経尿道的前立腺切除術)の特性を区別できているかがポイントとなります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の術式(例:腹腔鏡下手術、開腹手術など)や他の臓器の手術後の退院指導に関する知識、また患者の年齢や合併症の有無といった個別性を考慮した指導内容の判断が求められる可能性があります。
関連知識
前立腺肥大症の病態生理、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)の術式と合併症、術後管理(膀胱洗浄、カテーテル管理)、退院後の生活指導(食事、水分、活動、排泄、性生活など)。