後天性の大動脈弁狭窄症について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
後天性大動脈弁狭窄症の最も一般的な原因は、加齢に伴う弁尖の石灰化です。リウマチ熱の既往も原因となることがあります。これらの原因により、大動脈弁の弁尖が硬くなり、開口部が狭くなることで、左心室から大動脈への血流が妨げられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 後天性の大動脈弁狭窄症では、リウマチ熱や加齢による石灰化が主な原因であり、二尖弁は先天性心疾患の一つである。正しくは:後天性の大動脈弁狭窄症の原因は、多くの場合、加齢に伴う弁尖の石灰化やリウマチ熱によるものです。選びやすい理由:二尖弁は大動脈弁狭窄症の原因となるため、関連知識として知っていると迷いやすい。混同注意:先天性弁膜症(二尖弁)と後天性弁膜症(加齢性石灰化、リウマチ熱)の原因が混同されやすい。
- 2. 正解。後天性の大動脈弁狭窄症の主要な原因は、加齢に伴う弁尖の石灰化やリウマチ性心疾患によるものです。これにより弁の開口が制限されます。
- 3. 大動脈弁狭窄症では、狭くなった弁を通して血液を送り出すために左心室に過負荷がかかり、代償的に心筋が肥厚し、壁は厚くなります。正しくは:左心室の壁は、代償性肥厚により徐々に厚くなります。選びやすい理由:心不全の進行により、最終的に心臓が拡張し壁が薄くなるフェーズを連想させるが、初期は肥厚である。混同注意:代償性肥厚と心不全による拡張・壁菲薄化が混同されやすい。初期の病態と進行期の病態を区別する必要がある。
- 4. 大動脈弁狭窄症では、心室の収縮期(駆出期)に、狭窄した大動脈弁から血液が勢いよく送り出される際に収縮期駆出性雑音が発生します。拡張期雑音は大動脈弁閉鎖不全症で聴取されます。正しくは:心臓の収縮期に駆出性心雑音を聴取します。選びやすい理由:心雑音は弁膜症の重要な所見であるため、心臓病の知識として認識されていると、詳細を見落としやすい。混同注意:収縮期雑音と拡張期雑音が混同されやすい。どの弁のどの病態でどの時期の雑音かを正確に覚える必要がある。
- 5. 大動脈弁狭窄症では、左心室が肥厚し、収縮期に高い圧負荷がかかるため、心筋の仕事量が増加し、それに伴い酸素需要は増大します。正しくは:心筋の酸素需要は増大します。選びやすい理由:心臓の機能が低下すると酸素需要が減少するという誤った連想をする可能性がある。混同注意:心機能低下による全身への血流減少と、心臓自体の酸素需要増大が混同されやすい。心臓はより強く働くため酸素を多く必要とする。
国試ポイント
大動脈弁狭窄症の基本的な病態生理、特に原因とそれによる心臓への影響(心筋肥厚、酸素需要増大)、および特徴的な身体所見(収縮期雑音)を正確に理解しているかを問う問題です。先天性と後天性の違いを明確に把握しておくことが重要です。
混同注意
大動脈弁狭窄症と大動脈弁閉鎖不全症、先天性弁膜症と後天性弁膜症の病因・病態・身体所見(特に心雑音の時期)が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後、大動脈弁狭窄症の病状進行に応じた症状(労作時呼吸困難、狭心痛、失神)や治療法(弁形成術、弁置換術、TAVI)について問われる可能性があります。また、他の弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁閉鎖不全症)との比較問題も予想されます。
関連知識
心音、心雑音の聴取部位と時期、弁膜症の種類と原因、心臓の代償機構と心不全への進行、心臓の酸素需要。