褐色細胞腫でみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
褐色細胞腫は、副腎髄質または副腎外の傍神経節に発生する腫瘍で、カテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)を過剰に分泌します。これらのホルモンは血糖値を上昇させる作用があるため、高血糖は褐色細胞腫の典型的な症状の一つです。カテコラミンは糖新生を促進し、インスリン分泌を抑制することで血糖を上昇させます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。褐色細胞腫では、カテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)の過剰分泌により、糖新生の促進やインスリン分泌抑制が起こり、血糖値が上昇します。
- 2. 中心性肥満はクッシング症候群の典型的な症状であり、褐色細胞腫では直接的に見られません。正しくは:中心性肥満はクッシング症候群で認められる特徴です。褐色細胞腫では、代謝亢進によりむしろ体重減少が見られることがあります。選びやすい理由:肥満は多くの内分泌疾患に関連するため、一見すると選びやすいかもしれませんが、疾患特異性が異なります。混同注意:クッシング症候群によるコルチゾールの過剰分泌と混同しやすいです。
- 3. 満月様顔貌(ムーンフェイス)はクッシング症候群の主要な症状であり、褐色細胞腫には関連しません。正しくは:満月様顔貌はクッシング症候群の典型的な症状です。選びやすい理由:顔貌の変化は内分泌疾患でよく見られるため、選択肢として魅力的ですが、特定の疾患に紐づいています。混同注意:クッシング症候群のコルチゾール過剰と混同しやすいです。
- 4. 血清カリウム濃度の低下は、原発性アルドステロン症やクッシング症候群(異所性ACTH産生腫瘍などによる場合)で見られる症状であり、褐色細胞腫の直接的な症状ではありません。正しくは:血清カリウム濃度の低下は原発性アルドステロン症でよく見られます。選びやすい理由:電解質異常は内分泌疾患でよく見られるため、注意が必要です。混同注意:原発性アルドステロン症によるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の亢進と混同しやすいです。
- 5. 褐色細胞腫は副腎髄質からカテコラミンが過剰に分泌される病態であり、副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)の産生亢進とは異なります。副腎皮質ホルモンの亢進はクッシング症候群の特徴です。正しくは:副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の産生亢進はクッシング症候群で見られます。褐色細胞腫は副腎髄質ホルモン(カテコラミン)の過剰分泌です。選びやすい理由:褐色細胞腫が副腎に発生する腫瘍であるため、副腎ホルモンの異常産生という点で迷いやすいですが、皮質と髄質の違いが重要です。混同注意:副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)と副腎髄質機能亢進症(褐色細胞腫)を混同しやすいです。
国試ポイント
褐色細胞腫と他の副腎疾患(クッシング症候群、原発性アルドステロン症)の鑑別が問われる問題です。それぞれの疾患の主要な症状や、分泌されるホルモンの種類を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
クッシング症候群、原発性アルドステロン症との症状の区別。特に副腎にできる腫瘍であるため、他の副腎疾患の症状と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、褐色細胞腫以外の内分泌疾患(クッシング症候群、原発性アルドステロン症、甲状腺機能亢進症など)の代表的な症状と、それぞれ分泌されるホルモンの種類・作用を正確に区別して解答できるかが重要です。
関連知識
褐色細胞腫の主な症状:高血圧(発作性または持続性)、高血糖、頭痛、動悸、発汗過多、不安感。診断:血中または尿中カテコラミンおよびその代謝産物(メタネフリン、ノルメタネフリン)の測定、画像診断(CT、MRI、MIBGシンチグラフィー)。治療:外科的切除(術前薬物療法としてα遮断薬、必要に応じてβ遮断薬を使用)。