尿管結石症の治療で適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
尿管結石症では、結石による疝痛発作に対して非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を投与し疼痛を管理します。また、比較的大きな結石や自然排石が困難な結石に対しては、体外から衝撃波を当てて結石を破砕する体外衝撃波砕石術(ESWL)が低侵襲な治療法として選択されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿路変更術は、尿路結石症の直接的な治療法としては一般的ではありません。これは、重度の水腎症による腎機能低下や、尿路の構造異常、悪性腫瘍などにより尿路の再建が必要な場合に検討される手術です。正しくは:尿路変更術は、尿路結石症の直接的な治療としては行われません。通常は、自然排石が困難な場合や、腎機能障害のリスクがある場合に、ESWL、経尿道的尿管結石砕石術(TUL)、経皮的腎砕石術(PCNL)などが選択されます。選びやすい理由:「手術」という言葉から、何らかの外科的治療法の一部であると誤解されやすいため。混同注意:尿路結石の外科的治療(TUL, PCNL)と混同しやすいですが、これらは結石を直接除去・破砕する術式であり、尿路変更術とは目的が異なります。
- 2. 血管拡張薬は、尿管結石症の治療として通常選択されません。尿管結石症による疼痛は、結石による尿路閉塞とそれに伴う尿管の攣縮や腎被膜の伸展が原因であり、血管拡張薬はこれらの機序に直接作用するものではないためです。正しくは:尿管結石の排石促進のために、一部のα1ブロッカー(例:タムスロシン)が尿管の弛緩を目的に使用されることがありますが、これは「血管拡張薬」とは異なります。疼痛緩和にはNSAIDsが有効です。選びやすい理由:「薬物治療」の一種であるため、何らかの効果があると連想されやすい。循環器系の疾患治療薬として知られているため、結石と直接関係ないにも関わらず選択肢として意識されやすい。混同注意:尿管を弛緩させて排石を促すα1ブロッカーや、疼痛を緩和する鎮痛薬と混同しやすいです。
- 3. カルシウム製剤の投与は、尿管結石症の治療として適切ではありません。むしろ、高カルシウム尿症が結石形成の原因となる場合があるため、カルシウム製剤の過剰摂取は結石のリスクを増加させる可能性があります。正しくは:カルシウム製剤の投与は、尿路結石の治療には用いません。食事制限が必要な場合は、結石の種類に応じてシュウ酸や塩分の制限が行われます。カルシウムの極端な制限は骨粗鬆症のリスクを高めるため、適切な摂取が推奨されます。選びやすい理由:結石の多くがカルシウム結石であることから、カルシウム製剤の投与が何らかの治療効果を持つと誤解されることがあるため。混同注意:特定の結石(シュウ酸カルシウム結石など)の組成と混同しやすいですが、結石の構成成分の摂取を促進することが治療になるわけではありません。
- 4. 正解。体外衝撃波砕石術(ESWL)は、体外から衝撃波を照射し、結石を砂状に砕いて自然排石を促す非侵襲的な治療法です。特に2cm未満の結石に対して第一選択となることが多いです。選びやすい理由:主要な治療法の一つとして広く知られているため、選びやすい選択肢です。混同注意:経尿道的尿管結石砕石術(TUL)や経皮的腎砕石術(PCNL)といった他の侵襲的な結石砕石・除去術と混同しやすいですが、ESWLは非侵襲的である点が特徴です。
- 5. 正解。非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、尿管結石症に伴う激しい疝痛発作に対して、疼痛緩和の目的で投与されます。プロスタグランジン合成を阻害することで尿管の攣縮を抑制し、腎被膜の伸展による痛みを軽減します。選びやすい理由:痛み止めとして一般的に知られているため、尿管結石の痛みに効果があるという知識があれば選びやすいです。混同注意:医療現場で広く使われる一般的な鎮痛薬であるため、尿路結石の疼痛管理に特に有効であるという点を認識しておく必要があります。
国試ポイント
尿路結石の治療法(保存的治療、外科的治療)を具体的に覚える必要があります。特に、疼痛管理にNSAIDsが用いられることと、結石破砕の主要な方法であるESWLについて理解することが重要です。
混同注意
尿路結石の予防と治療、急性期の対応と慢性期の対応、また各治療法の適応の違いを混同しないように区別しましょう。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た際は、急性期の疼痛管理と結石の除去(破砕や摘出)の具体的な方法に注目し、それぞれの治療法の適応を判断します。
関連知識
尿路結石の成分(シュウ酸カルシウム結石が最多)、結石のサイズによる治療法の選択、水分摂取の重要性などの予防策。