動脈硬化症の粥腫形成に関与するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
動脈硬化症の粥腫形成には、まず血管内皮細胞の機能障害が関与し、そこからLDLコレステロールが血管壁に侵入します。次いで、単球が血管内皮を通過してマクロファージとなり、LDLを取り込んで泡沫細胞へと変化します。これらの泡沫細胞が蓄積することが粥腫形成の主要なメカニズムです。したがって、血管内皮細胞と泡沫細胞が直接的に関与します。
選択肢ごとの解説
- 1. ランゲルハンス細胞は主に皮膚や粘膜に存在する免疫細胞であり、抗原提示の役割を担います。動脈硬化の粥腫形成には直接関与しません。正しくは:ランゲルハンス細胞は動脈硬化の粥腫形成には関与しない。選びやすい理由:免疫系の細胞であるため、炎症反応と関連付けて誤解する可能性がある。混同注意:マクロファージやリンパ球など、動脈硬化に関わる他の免疫細胞と混同するかもしれない。
- 2. メサンギウム細胞は腎臓の糸球体内に存在する細胞であり、糸球体ろ過機能の調節や構造維持に関与します。動脈硬化の粥腫形成には直接関与しません。正しくは:メサンギウム細胞は腎臓に存在し、動脈硬化の粥腫形成には関与しない。選びやすい理由:細胞名が専門的であるため、具体的な役割を知らないと判断に迷う可能性がある。混同注意:血管に関わる細胞と誤解しやすいが、局在が異なる。
- 3. 正解。血管内皮細胞は血管の最も内側にあり、血流と直接接する細胞です。動脈硬化の初期段階において、LDLコレステロールの蓄積や炎症反応の引き金となり、単球の接着・浸潤を促進することで粥腫形成に深く関与します。正しくは:この選択肢は正しい。選びやすい理由:血管の構成要素であるため、正しいと判断しやすい。混同注意:血管平滑筋細胞など、他の血管構成細胞との役割分担について正確な理解が求められる。
- 4. 肥満細胞はアレルギー反応や炎症反応に関与する免疫細胞であり、ヒスタミンなどの生理活性物質を放出します。動脈硬化の病変部位にも存在する場合がありますが、粥腫の『形成』における主要な役割を担う細胞とは言えません。正しくは:肥満細胞はアレルギーや炎症に関与するが、粥腫形成の主要な関与細胞ではない。選びやすい理由:炎症に関わる細胞であるため、動脈硬化の炎症メカニズムと関連付けて誤解する可能性がある。混同注意:マクロファージなどの、より直接的に粥腫形成に関わる免疫細胞と混同しやすい。
- 5. 正解。泡沫細胞は、血管内皮下に入り込んだマクロファージが大量の酸化LDLコレステロールを取り込むことで、細胞質に脂質滴が貯留し泡状になった細胞です。これらが集積することで、動脈硬化の粥腫(アテローム性プラーク)の主要な構成要素となります。正しくは:この選択肢は正しい。選びやすい理由:「泡沫」という言葉から脂質が関連していると想像しやすいため、正しいと判断しやすい。混同注意:マクロファージが脂質を取り込んだ形態であることを理解している必要がある。
国試ポイント
動脈硬化症の病態生理、特に粥腫形成のメカニズムに関わる主要な細胞の種類とその役割を正確に理解しているかが問われる問題です。各細胞がどの臓器や病態に関わるかを把握することが重要です。
混同注意
免疫系の細胞(ランゲルハンス細胞、肥満細胞)は、炎症反応という点で動脈硬化と関連があるように見えますが、粥腫の『形成』における直接的かつ主要な役割を担う細胞とは区別する必要があります。また、メサンギウム細胞は特定の臓器に限定されるため、知識の正確性が求められます。
次に同じ論点が出たら
粥腫が形成された後の病態進展(線維化、石灰化、破裂、血栓形成)に関わる細胞や物質について、さらに知識を深めることができる。
関連知識
動脈硬化の危険因子(高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙など)、動脈硬化の進展段階、アテローム性プラークの構成要素(脂質、平滑筋細胞、結合組織など)、動脈硬化によって引き起こされる疾患(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など)。