肝性脳症の直接的原因はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
肝性脳症は、肝臓の機能が著しく低下することで、本来肝臓で代謝・解毒されるべきアンモニアが処理されずに血液中に蓄積し、脳に到達して神経細胞に毒性を示すことによって発症する病態です。したがって、アンモニアが肝性脳症の直接的な原因物質となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿酸は主にプリン体の代謝産物であり、高尿酸血症や痛風の原因となりますが、肝性脳症の直接的な原因ではありません。正しくは:肝性脳症の直接的原因はアンモニアです。選びやすい理由:体内の老廃物の一種であるため、原因物質として誤って選択される可能性があります。混同注意:他の代謝性疾患の原因物質と混同されることがあります。
- 2. 正解。肝性脳症は、肝機能の低下により体内で発生したアンモニアを肝臓で解毒できず、血中アンモニア濃度が上昇して脳に到達し、神経毒性を示すことで発症します。したがって、アンモニアが直接の原因物質です。
- 3. グルコース(ブドウ糖)は体の主要なエネルギー源であり、血糖値の変動は糖尿病の原因となりますが、肝性脳症の直接的原因ではありません。肝機能障害による血糖値異常は起こりえますが、それが脳症の直接的原因ではありません。正しくは:肝性脳症の直接的原因はアンモニアです。選びやすい理由:脳のエネルギー源であるため、脳の機能障害と結びつけて誤って選択される可能性があります。混同注意:低血糖性脳症など、他の原因による脳症と混同されることがあります。
- 4. ビリルビンは赤血球のヘモグロビン代謝産物であり、肝機能障害により血中濃度が上昇すると黄疸を引き起こしますが、肝性脳症の直接的な神経毒性を持つ原因物質ではありません。高ビリルビン血症は肝機能障害の指標の一つですが、脳症とは区別されます。正しくは:肝性脳症の直接的原因はアンモニアです。選びやすい理由:肝疾患の主要な検査項目であり、肝機能障害と関連が深いため、誤って原因物質として選択される可能性があります。混同注意:核黄疸など、新生児期における高ビリルビン血症による脳障害と混同されることがあります。
国試ポイント
この問題は、肝性脳症の病態生理における主要な原因物質を正確に理解しているかを問うものです。肝機能障害に伴う様々な検査値異常がある中で、脳症に直接関連する物質を特定できるかがポイントです。
混同注意
肝機能障害で上昇する他の物質(ビリルビン、AST, ALTなど)と混同しやすいですが、脳症の直接原因はアンモニアです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の論点が出題された場合、肝性脳症の症状、重症度分類(ウェストヘイブン基準)、治療法、食事療法、看護ケアについて問われる可能性があります。特に、アンモニア産生抑制のための食事(高タンパク食の制限など)や、腸内環境の調整(便秘の改善)も重要です。
関連知識
肝臓はアンモニアを尿素に変換して無毒化する役割(尿素回路)を担っています。肝機能が低下するとこの機能が障害されます。治療には、アンモニア産生を抑制する薬剤(ラクツロース、抗菌薬など)や、アンモニア除去療法が含まれます。