糖尿病性腎症の食事療法で制限するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
糖尿病性腎症の食事療法では、腎臓への負担を軽減し、病状の進行を抑制することが主な目的です。腎機能が低下すると、体内の塩分や水分、蛋白質の代謝産物の排出が困難になるため、これらを制限することが重要です。塩分制限は高血圧の管理に、蛋白質制限は腎臓の濾過負担の軽減に寄与します。
選択肢ごとの解説
- 1. 糖尿病性腎症の食事療法では、脂質の過剰摂取は動脈硬化のリスクを高めるため注意が必要ですが、主に制限されるのは塩分と蛋白質です。脂質はエネルギー源として適正量が推奨されます。正しくは:脂質の過剰摂取は避けるが、積極的に制限するものではない。選びやすい理由:脂質も生活習慣病の管理において重要であるため、制限の対象と考えがち。混同注意:糖尿病治療全般で脂質管理も重要視されるため、腎症の場合も同様に制限対象と誤解しやすい。
- 2. 正解。糖尿病性腎症では、腎機能の低下により体内の水分・塩分調整が難しくなります。塩分過多は高血圧を悪化させ、腎臓への負担を増大させるため、厳格な制限が必要です。
- 3. 正解。腎機能が低下すると、蛋白質の代謝産物である尿素窒素などが体内に蓄積しやすくなります。蛋白質の過剰摂取は腎臓に負担をかけるため、腎機能の段階に応じて蛋白質の摂取量を制限する必要があります。
- 4. 炭水化物は血糖コントロールの主要な要素ですが、糖尿病性腎症ではエネルギー源として必要なため、制限よりもむしろ適切な量と質の摂取が推奨されます。過度な制限はエネルギー不足を招く可能性があります。正しくは:炭水化物は適切な量を摂取し、血糖コントロールを行う。選びやすい理由:糖尿病の食事療法で血糖値に直結するため、腎症でも制限すべきと誤解しやすい。混同注意:糖尿病治療の中心が炭水化物制限であるため、腎症でも同様に主要な制限対象と混同しやすい。
- 5. ビタミンは生体機能の維持に不可欠であり、制限されることは通常ありません。むしろ、腎症の進行や食事制限によって不足することがあるため、必要に応じて補給が検討されることもあります。ただし、一部の水溶性ビタミンは透析患者で不足しやすいことが知られています。正しくは:ビタミンは制限せず、必要に応じて補給を検討する。選びやすい理由:特定の病態で過剰摂取が問題となるビタミンもあるため、一概に制限しないと断言しにくいと感じる。混同注意:水溶性ビタミンが透析で失われやすいといった特殊な状況と混同し、摂取量調整が必要と誤解しやすい。
国試ポイント
糖尿病性腎症の食事療法における主要な制限項目(塩分、蛋白質)を正確に理解しているかが問われる。糖尿病の食事療法と腎症の食事療法では重点が異なる点も理解しておく必要がある。
混同注意
糖尿病の一般的な食事療法と混同し、炭水化物や脂質を主要な制限対象として選択しやすい。腎症の病態生理に基づいた食事療法を理解することが重要。
次に同じ論点が出たら
各病期(ステージ)に応じた蛋白質制限量や、カリウム・リンの制限の必要性について判断できるか。
関連知識
慢性腎臓病(CKD)の食事療法、高血圧食の原則、糖尿病の病態生理、腎機能低下時の代謝変化。