病気の解説
糖尿病性腎症
受診の目安
糖尿病性腎症では、早期には無症状であるのが多く、持続的な微量アルブミン尿が初期の警告となることがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、腎臓内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
糖尿病性腎症は、糖尿病が原因で腎臓の機能が低下する病気です。病態は小さな血管の病変から始まり、糸球体の基底膜の肥厚やメサンギウム細胞の増殖・基質拡大、血管内皮の損傷などが関与します。早期には自覚症状が少ないことが多く、尿に微量のアルブミンが出ることが初期のサインとなることがあります。進行すると高血圧や浮腫、尿毒症などの症状が見られることがあります。
主な症状
糖尿病性腎症は早期には無症状であるのが多く、持続的な微量アルブミン尿が初期の警告となることがあります。未治療の場合は高血圧や浮腫が出ることがあり、後期には尿毒症候が糖尿病性腎症のない人と比べて早く出現することがあると説明されています。
検査と診断
診断
糖尿病患者では、随時尿のアルブミンとクレアチニンの比を年に1回測るスクリーニングが推奨されています。タンパク尿を認める場合や、糖尿病網膜症の有無、タンパク尿の性状、GFRの低下の速さ、血尿の有無などから他の腎疾患を考慮します。糖尿病の病歴が短く重度のタンパク尿がある、糖尿病網膜症がない、急速なタンパク尿の発生などがあると腎疾患の疑いを深めます。
治療
治療
HbA1cを7.0%以下に維持することや積極的な血圧管理、脂質異常症の治療が挙げられています。タンパク質の食事制限については、個人差があるため一律の推奨はなく、通常は0.8〜1.2 g/kg/日程度の範囲を考慮することが示唆されています。二型糖尿病ではSGLT2阻害薬が投与されるべきとされますが、特定の条件(1型糖尿病やeGFRが20 mL/min未満の場合)では適さない場合があります。ナトリウム・グルコース輸送体の阻害薬は腎疾患の進行を抑えるとされています。ビタミンD補給や炭酸水素ナトリウムによる治療、浮腫への対策としてのナトリウム制限・水分制限・利尿薬の使用なども記載されています。
経過と生活
予防
治療と管理の要素(HbA1c・血圧・タンパク質制限・SGLT2阻害薬・ビタミンD補給など)が挙げられています。
経過・予後
適切な治療と定期的なモニタリングを受けている場合は予後が良好とされています。しかし現実には治療を受ける機会が限られ、腎機能は緩徐に低下することが多く、高血圧前症や動脈硬化性疾患が死亡率を高める要因になる可能性があると説明されています。
腎臓内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: MSDマニュアルプロフェッショナル版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。