後天性の大動脈弁狭窄症について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
後天性の大動脈弁狭窄症の主な原因は加齢による弁尖の石灰化であり、これによって弁の開口が制限されます。その結果、左心室から大動脈への血液駆出時に抵抗が増し、収縮期に駆出性雑音が聴取されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 二尖弁は先天性大動脈弁狭窄症の主な原因であり、後天性ではありません。後天性では通常、三尖弁の石灰化が進行します。正しくは:後天性の大動脈弁狭窄症では、先天性の二尖弁以外の原因(加齢による石灰化など)がほとんどです。選びやすい理由:大動脈弁狭窄症の原因として二尖弁はよく知られているため、混同しやすいです。混同注意:先天性大動脈弁狭窄症と後天性大動脈弁狭窄症の原因を混同している可能性があります。
- 2. 正解。後天性大動脈弁狭窄症の主要な原因は、加齢に伴う弁尖の変性や石灰化です。
- 3. 大動脈弁狭窄症では、左心室が狭窄した弁を介して血液を送り出すために過剰な負荷がかかり、代償性に左心室肥大(壁が厚くなる)が生じます。正しくは:左心室壁は徐々に肥厚します。選びやすい理由:心不全の進行により心室が拡大・菲薄化する末期像を想像してしまう可能性があります。混同注意:初期の代償性肥大と末期の心不全による拡大・菲薄化を混同している可能性があります。
- 4. 正解。大動脈弁狭窄症では、左心室収縮期に狭窄した大動脈弁を血液が高速で通過することにより、収縮期駆出性雑音(収縮期雑音)が生じます。
- 5. 大動脈弁狭窄症では、左心室肥大と収縮期の高い圧負荷により、心筋の仕事量が増加し、酸素消費量も増加します。正しくは:心筋の酸素消費量は増加します。選びやすい理由:心機能低下に伴い心拍出量が減少するため、酸素消費量も減少すると誤解しやすいです。混同注意:心拍出量の低下と心筋酸素消費量の関係を混同している可能性があります。肥大した心筋はより多くの酸素を必要とします。
国試ポイント
大動脈弁狭窄症の原因、病態生理、および特徴的な身体所見(心音)に関する基礎知識が問われています。特に先天性と後天性の違い、代償機構としての心肥大、それらに伴う心筋酸素消費量の変化を理解しておくことが重要です。
混同注意
先天性大動脈弁狭窄症の原因(二尖弁)と後天性の原因(石灰化)の混同、心不全による心室拡大と初期の代償性肥大の混同、心拍出量の減少と心筋酸素消費量の関係の誤解が起こりやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
この問題が解けた場合、次のステップとして、大動脈弁狭窄症の進行に伴う症状(労作時呼吸困難、狭心痛、失神など)や診断方法(心エコー図検査、心電図など)、治療法(経カテーテル大動脈弁留置術: TAVI、外科的弁置換術: AVR)について学習すると、より深い理解が得られます。
関連知識
大動脈弁閉鎖不全症(拡張期雑音)、僧帽弁狭窄症(拡張期ランブル)、僧帽弁閉鎖不全症(収縮期逆流性雑音)など、他の弁膜症の病態と心雑音についても関連付けて学習すると良いでしょう。また、心臓の代償機構と不全についても理解を深めることが重要です。