全身性エリテマトーデス〈SLE〉で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
全身性エリテマトーデス(SLE)は多臓器にわたる自己免疫疾患であり、その発症には複数の遺伝子多型が関与していることが示されており、遺伝的要因の関与が大きいと考えられています。また、SLEにおける中枢神経系の合併症は、痙攣、精神症状、脳血管障害など多岐にわたり、これらは患者の生活の質を著しく低下させるだけでなく、生命予後にも直接的に影響を及ぼす重要な因子です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。SLEの発症には複数の感受性遺伝子やHLA型が関与していることが報告されており、遺伝的素因の関与が大きいと考えられています。選びやすい理由:遺伝的要因は多くの自己免疫疾患で示唆されており、SLEでもその傾向があるため選びやすい。混同注意:単一遺伝子疾患と多因子遺伝疾患の区別。
- 2. SLEは圧倒的に女性に多く、女性ホルモン(特にエストロゲン)の関与が示唆されています。男性ホルモンは一般に自己免疫疾患を抑制する方向に働くと考えられています。正しくは:発症には女性ホルモンが関連しています。選びやすい理由:ホルモンの関与自体は正しい知識であるため、性ホルモンの種類を混同して選択しやすい。混同注意:女性ホルモンと男性ホルモンの作用。
- 3. 正解。SLEによる中枢神経系の合併症(中枢神経ループス)は、痙攣、精神症状、脳血管障害など重篤であり、患者の身体機能や認知機能に影響を及ぼすだけでなく、生命予後にも直接的に悪影響を与えます。選びやすい理由:SLEは全身疾患であり、多くの臓器障害が予後に影響するため、中枢神経系の症状もその一つとして重要なファクターであることは理解しやすい。混同注意:臓器障害の重症度と予後への影響の程度。
- 4. SLEの免疫異常は主にII型(細胞表面抗原への抗体、例:血球減少)およびIII型(免疫複合体による組織障害、例:糸球体腎炎、血管炎)アレルギー反応が中心であり、I型アレルギー(即時型過敏症)は主な病態ではありません。正しくは:免疫異常は主にII型およびIII型アレルギーによるものです。選びやすい理由:免疫異常というキーワードから、代表的なアレルギー反応のタイプの一つであるI型を連想しやすい。混同注意:アレルギーの分類(I〜IV型)と各型の病態。
- 5. 全身性エリテマトーデス(SLE)の治療は近年大きく進歩しており、適切な治療を受けた場合の5年生存率は90%以上とされています。50%という数字は過去のものであり、現在では誤りです。正しくは:適切な治療を受けた場合、5年生存率は90%以上とされています。選びやすい理由:SLEが難治性の慢性疾患であるという認識から、予後が不良であると誤解して選択しやすい。混同注意:過去の予後と現在の予後、および医療の進歩による改善。
国試ポイント
SLEは女性に多い自己免疫疾患であり、その発症には遺伝的要因や性ホルモンが関与し、多臓器障害を来す。特に中枢神経ループスなどの重篤な合併症は生命予後を左右することを理解する。
混同注意
SLEは多因子疾患であり、単一の遺伝子異常や環境要因のみで発症するわけではない点、また、免疫異常が必ずしもI型アレルギーに限らない点(主にII型、III型、IV型が関与)が混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
SLEに関する問題が出題された際は、遺伝的素因、性ホルモンの関与、主要な臓器病変(特に腎臓、中枢神経)、免疫学的機序のタイプ(主にII型、III型アレルギー)、そして治療の進歩による予後の改善状況に注目して判断する。
関連知識
SLEの診断基準(改訂ACR分類、SLICC分類)、主要な自己抗体(抗dsDNA抗体、抗Sm抗体)、治療薬(ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤)