うっ血性心不全が疑われる患者が救急外来を受診した。その際、12誘導心電図検査、胸部エックス線検査に加えて行われる優先度が高い検査はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
うっ血性心不全の緊急診断において、心臓超音波検査(心エコー)は心臓のポンプ機能、弁機能、心腔サイズ、壁運動異常、心嚢液貯留の有無などをリアルタイムかつ非侵襲的に評価できるため、最も優先度の高い検査の一つです。これにより心不全の原因や重症度を迅速に把握し、治療方針を決定する上で不可欠な情報が得られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 冠動脈CT検査は冠動脈狭窄の評価に有用ですが、救急外来でのうっ血性心不全の診断において、第一選択の緊急検査としては優先度が低いと考えられます。緊急性の高い心機能評価には適しません。正しくは:急性期の心機能評価よりも、慢性期の虚血性心疾患の精査に用いられることが多いです。選びやすい理由:虚血性心疾患が心不全の原因である可能性を考えるかもしれませんが、緊急時の心機能評価としては直接的ではありません。混同注意:心臓カテーテル検査と混同しがちですが、こちらは非侵襲的な画像診断です。
- 2. 正解。心臓超音波検査(心エコー)は、心臓のポンプ機能(駆出率)、弁機能、心腔サイズ、壁運動異常、心嚢液貯留の有無などをリアルタイムかつ非侵襲的に評価できるため、うっ血性心不全の緊急診断において最も優先度の高い検査の一つです。心不全の原因や重症度を迅速に把握できます。混同注意:他の検査と比較して、心臓の動的な状態を把握できる点で優れています。
- 3. 心筋シンチグラムは心筋の血流や代謝を評価する検査であり、主に虚血性心疾患の診断や予後評価に用いられますが、検査に時間がかかり、救急外来でのうっ血性心不全の緊急診断の優先順位は低いとされています。正しくは:緊急性の高い心不全の病態評価には適しません。選びやすい理由:虚血性心疾患による心不全を疑う場合でも、緊急時はより迅速な検査が優先されます。混同注意:冠動脈CTや心臓カテーテル検査と異なり、心筋の機能面を見る検査です。
- 4. 心臓カテーテル検査は、冠動脈の狭窄度評価や心腔内圧の測定など詳細な情報が得られる侵襲的な検査ですが、救急外来でのうっ血性心不全の診断においては、一般的に心臓超音波検査などの非侵襲的検査で情報が得られない場合や、治療方針決定のためにさらに詳細な情報が必要な場合に検討される検査です。第一選択の緊急検査としては優先度が低いと考えられます。正しくは:緊急性が高くても、まずは非侵襲的な検査が優先されます。選びやすい理由:診断と同時に治療も可能であるため、緊急性が高いと思われがちですが、侵襲性からまず第一選択とはなりません。混同注意:冠動脈CT検査と目的が似ていますが、こちらはより侵襲的で詳細な評価が可能です。
国試ポイント
うっ血性心不全の緊急時における検査の優先順位とその根拠を理解しているか問う問題です。心臓超音波検査の診断的有用性を把握することが重要です。
混同注意
他の検査も心臓疾患の診断に用いられますが、緊急性、非侵襲性、得られる情報の質(心機能のリアルタイム評価)という点で心臓超音波検査が突出しています。
次に同じ論点が出たら
心臓超音波検査の結果に基づき、心不全の病型(収縮能低下型、拡張能低下型など)や原因(虚血性、弁膜症、心筋症など)を特定し、適切な薬物療法や介入治療の必要性を判断します。
関連知識
うっ血性心不全の診断基準(Framingham Criteriaなど)、心臓バイオマーカー(BNP/NT-proBNP)、心不全の病態生理、各種画像検査の目的と特徴。