統合失調症の幻覚や妄想に最も関係する神経伝達物質はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
統合失調症の幻覚や妄想などの陽性症状は、脳内のドパミン神経系の過活動が原因であるという「ドパミン仮説」が最も広く支持されています。多くの抗精神病薬は、ドパミンD2受容体を遮断することでこれらの症状を軽減します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)は、脳内のドパミン系の過活動が原因であるというドパミン仮説が広く支持されています。抗精神病薬の多くはドパミンD2受容体拮抗作用を持つことから、ドパミンが症状に最も関連すると考えられます。選びやすい理由:他の神経伝達物質も精神疾患に関与しますが、統合失調症の幻覚や妄想に「最も」関係するのはドパミンです。混同注意:脳内の神経伝達物質は複雑に作用し合いますが、統合失調症の陽性症状ではドパミンが中心的な役割を担います。
- 2. セロトニンは気分、睡眠、食欲などに関与し、うつ病や不安障害などとの関連が指摘されています。統合失調症の陰性症状や認知機能障害にも関与する可能性が示唆されていますが、幻覚や妄想といった陽性症状への直接的な関与はドパミンほど中心的ではありません。一部の非定型抗精神病薬はセロトニン受容体にも作用しますが、それはドパミン系への影響と組み合わされることが多いです。正しくは:統合失調症の幻覚・妄想にはドパミンが最も関係します。選びやすい理由:セロトニンも精神疾患に深く関与する神経伝達物質ですが、統合失調症の陽性症状の主因とは異なります。混同注意:セロトニンは気分調整に重要であり、うつ病治療薬(SSRI)の標的となりますが、統合失調症の幻覚・妄想の直接的な原因ではありません。
- 3. アセチルコリンは記憶、学習、睡眠覚醒などに関与し、アルツハイマー病などとの関連が指摘されています。統合失調症の認知機能障害に関与する可能性はありますが、幻覚や妄想といった陽性症状への直接的な関与は主要ではありません。正しくは:統合失調症の幻覚・妄想にはドパミンが最も関係します。選びやすい理由:アセチルコリンも脳機能に不可欠ですが、統合失調症の陽性症状の主要な原因ではありません。混同注意:アセチルコリンは認知機能に重要ですが、幻覚や妄想といった中核症状への直接的な関与は限定的です。
- 4. ノルアドレナリンは覚醒、注意、ストレス反応などに関与し、気分障害や不安障害などとの関連が指摘されています。統合失調症における症状(特に陰性症状や認知機能障害)への関与も示唆されていますが、幻覚や妄想といった陽性症状の直接的な原因としてはドパミンが最も有力視されています。正しくは:統合失調症の幻覚・妄想にはドパミンが最も関係します。選びやすい理由:ノルアドレナリンも精神状態に影響を及ぼしますが、統合失調症の陽性症状の主因ではありません。混同注意:ノルアドレナリンは覚醒レベルや気分に関わりますが、統合失調症の幻覚・妄想の主要な原因とは考えられていません。
国試ポイント
統合失調症の病態生理において、幻覚や妄想といった陽性症状に主要に関与する神経伝達物質はドパミンであることを理解しているか問う問題です。ドパミン仮説は精神看護学における重要な基礎知識です。
混同注意
セロトニン、アセチルコリン、ノルアドレナリンも精神疾患に関与しますが、統合失調症の陽性症状の主たる原因としてはドパミンが最も重要です。
次に同じ論点が出たら
この知識を基に、統合失調症患者の症状と抗精神病薬の治療効果の関連を説明できるか、また薬物療法中の観察項目を判断できるか。
関連知識
統合失調症のドパミン仮説、抗精神病薬の作用機序(特にD2受容体遮断)、その他の精神疾患と神経伝達物質の関連(例:うつ病とセロトニン・ノルアドレナリン、アルツハイマー病とアセチルコリン)。