急性大動脈解離について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
マルファン症候群は、結合組織の異常により血管壁が脆弱化するため、若年者の急性大動脈解離の主な原因となります。他の選択肢は、急性大動脈解離の病態、診断方法、治療方針について誤った情報を含んでいます。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性大動脈解離は、大動脈壁の内膜に亀裂が生じ、そこから血液が中膜(内膜と外膜の間)に入り込み、中膜が剥がれて層状に分離する病態です。外膜が直接剥がれるわけではありません。正しくは:大動脈壁の内膜に亀裂が生じ、中膜が解離する。選びやすい理由:「解離」という言葉から、何かの膜が剥がれるというイメージは合っているため、漠然と捉えると選んでしまう可能性があります。混同注意:大動脈の層構造(内膜、中膜、外膜)と、解離がどの層で起こるのかについて混同している可能性があります。
- 2. 急性大動脈解離の診断には、解離腔や偽腔の確認、出血の有無、臓器灌流障害の評価が必須であり、そのためには造影剤を用いたCT検査(造影CT)が最も有用です。造影剤を用いないCTではこれらの情報が十分に得られません。正しくは:診断には造影剤を用いたCT検査を行う。選びやすい理由:CT検査自体が診断に重要であるため、深く考えずに選択してしまう可能性があります。また、造影剤アレルギーなどを懸念して「造影剤を用いない」を正しいと思ってしまうかもしれません。混同注意:一般的なCT検査の知識と、大動脈解離のような緊急性の高い疾患における詳細な情報が必要な検査方法とを混同している可能性があります。
- 3. Stanford分類B型は、上行大動脈に解離がなく、下行大動脈のみに解離があるタイプです。Stanford B型は、通常、内科的治療が第一選択であり、合併症(臓器虚血、破裂の切迫、疼痛コントロール不良など)がない限りは緊急手術の対象とはなりません。緊急手術が適応となるのはStanford A型(上行大動脈に解離があるタイプ)が原則です。正しくは:Stanford分類のA型では緊急手術を要する。選びやすい理由:「緊急手術」という言葉が、急性大動脈解離の重症度と結びつきやすいため、Stanford分類の詳細を知らないと誤って選んでしまうかもしれません。混同注意:Stanford分類A型とB型の治療方針の違い(A型は原則緊急手術、B型は原則内科治療)を混同している可能性があります。
- 4. 正解。マルファン症候群は、結合組織の遺伝性疾患であり、大動脈壁の脆弱性を引き起こします。そのため、若年者における急性大動脈解離の主要な危険因子の一つとして知られています。
国試ポイント
急性大動脈解離の病態生理、診断方法、Stanford分類に基づく治療方針、および関連疾患(特に若年者の危険因子)に関する正確な知識が問われています。特に、Stanford分類A型とB型の治療原則の違いや、マルファン症候群と若年性大動脈解離との関連は頻出テーマです。
混同注意
大動脈の層構造と解離の部位、Stanford分類A型とB型の治療方針、造影CTの必要性。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、Stanford分類A型とB型のさらに詳細な治療適応(合併症の有無)、大動脈解離の急性期・慢性期の管理、および他の遺伝性疾患(例:エーラス・ダンロス症候群)と大動脈疾患との関連についても確認しましょう。
関連知識
大動脈解離の症状(突然の激しい胸背部痛)、診断としてのMRI、経食道心エコー、治療としての血圧コントロール、マルファン症候群の他の症状(高身長、クモ状指、水晶体脱臼など)。