脳塞栓症を生じやすい不整脈はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
心房細動では、心房の収縮が不規則になり、血液が心房内で停滞しやすくなります。この停滞した血液が凝固して血栓を形成し、その血栓が心房から剥がれて血流に乗って脳に到達すると、脳動脈を閉塞させて脳塞栓症を引き起こします。そのため、心房細動は脳塞栓症の最も重要な危険因子の一つとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 心室頻拍は心停止のリスクが高い不整脈ですが、脳塞栓症を直接的に引き起こす主要な原因ではありません。正しくは:脳塞栓症の原因となるのは、主に心房内で血栓が形成され、それが剥がれて脳に流れる場合です。心室頻拍は通常、血栓形成とは直接関連しません。選びやすい理由:重篤な不整脈であるため、何らかの合併症を起こしやすいと考えるかもしれませんが、脳塞栓症の機序とは異なります。混同注意:他の心血管イベント(心停止、突然死)と混同しやすいです。
- 2. 正解。心房細動では、心房が不規則に興奮・収縮するため、心房内に血液が淀みやすくなります。この血液の停滞により血栓が形成され、それが剥がれて脳血管に運ばれることで脳塞栓症を引き起こすリスクが非常に高まります。
- 3. 心房性期外収縮は、正常な心拍に加えて心房から早期に発生する不整脈ですが、通常は一過性であり、単独で脳塞栓症のリスクを顕著に高めることはありません。心房細動のように持続的な血液の淀みを引き起こすものではありません。正しくは:心房性期外収 opus は、通常、脳塞栓症のリスク因子とは見なされません。選びやすい理由:「心房性」という言葉から、心房細動と関連があるように感じるかもしれませんが、機序と重症度が異なります。混同注意:心房細動の前兆となることもあるため、混同しやすいですが、これ自体が脳塞栓症の原因ではありません。
- 4. 完全房室ブロックは、心房と心室間の電気的伝導が完全に遮断され、心拍数が極端に低下する不整脈です。失神や心不全の原因となりますが、血栓形成による脳塞栓症の直接的なリスク因子ではありません。正しくは:完全房室ブロックは、徐脈性不整脈であり、脳塞栓症の主要な原因ではありません。ペースメーカーの適応となることが多いです。選びやすい理由:重篤な不整脈であり、心臓の機能に影響を与えるため、何らかの合併症を伴うと想像しやすいです。混同注意:心機能低下による他の合併症(心不全など)と混同しやすいです。
国試ポイント
脳塞栓症のリスク因子となる不整脈、特に心房細動とその機序について正確な知識が問われています。他の不整脈との鑑別、およびそれぞれの不整脈が引き起こす主要な合併症を理解しているかが重要です。
混同注意
心房細動と他の心房性不整脈(心房粗動、心房性期外収縮)や、重篤な不整脈(心室頻拍、完全房室ブロック)が引き起こす合併症を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
心房細動の診断を受けた患者に対して、どのような治療的介入(抗凝固療法など)が検討されるか、また、その治療の目的と注意点を理解しているか。
関連知識
CHA2DS2-VAScスコア(心房細動患者の脳卒中リスク評価)、経口抗凝固薬(DOAC、ワルファリン)の適応と種類、脳塞栓症の症状と治療。