Guillain-Barré症候群で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Guillain-Barré症候群は、自己免疫反応によって末梢神経のミエリン鞘や軸索が障害される疾患です。このため、運動神経と感覚神経の両方に影響が及び、筋力低下や麻痺、感覚障害といった症状を呈します。特に、四肢の対称性、上行性の筋力低下が特徴的です。また、重症例では呼吸筋麻痺や嚥下障害、自律神経症状も出現します。
選択肢ごとの解説
- 1. Guillain-Barré症候群の重症例では、延髄由来の脳神経(舌咽神経、迷走神経、舌下神経など)が障害されることで、嚥下障害、構音障害、顔面神経麻痺、呼吸筋麻痺といった球麻痺症状が出現することがあります。正しくは:嚥下障害や呼吸筋麻痺などの球麻痺症状が出現することがある。選びやすい理由:Guillain-Barré症候群が末梢神経疾患であるため、脳神経の関与がないと誤解しやすいですが、脳神経も末梢神経の一部です。混同注意:末梢神経障害と脳神経麻痺(特に球麻痺)の関連性、および球麻痺が中枢神経系の疾患に限定されるという誤解と混同しやすいです。
- 2. Guillain-Barré症候群の先行感染として最もよく知られているのは、細菌(特にカンピロバクター・ジェジュニ)やウイルス(サイトメガロウイルス、EBウイルス、インフルエンザウイルスなど)による感染です。原虫感染が誘因となることは稀です。正しくは:先行細菌感染やウイルス感染が主な誘因となる。選びやすい理由:「感染が誘因」という大まかな情報には合致するため、具体的な病原体の種類を正確に覚えていないと選びやすいです。混同注意:Guillain-Barré症候群の先行感染として一般的な病原体と、そうではない病原体の区別が混同しやすいです。
- 3. Guillain-Barré症候群の典型的な髄液所見は、細胞数の増加を伴わないタンパク質濃度の著明な上昇(蛋白細胞解離)です。これは診断基準の一つでもあります。正しくは:髄液中のタンパク質濃度が上昇する。選びやすい理由:炎症性疾患であるため髄液に異常があることは想像できますが、具体的な変化(上昇か低下か、細胞数の有無)を理解していないと誤った選択をしてしまいます。混同注意:髄液検査における「蛋白細胞解離」の概念と、他の神経疾患(例:ウイルス性髄膜炎では細胞数が増加しタンパク質も増加する)との鑑別が混同しやすいです。
- 4. 正解。Guillain-Barré症候群は、末梢神経系の運動線維と感覚線維の両方に影響を与える多発性神経炎です。典型的な症状として、左右対称性の筋力低下(上行性麻痺)と、しびれや痛みなどの感覚障害が出現します。重症例では、自律神経にも障害が及ぶことがあります。
- 5. Guillain-Barré症候群の最も一般的な病型である急性炎症性脱髄性多発神経炎(AIDP)では、末梢神経のミエリン鞘が障害される脱髄が主体であり、これにより神経伝導速度が著しく低下することが特徴です。一部の軸索型(AMANなど)では伝導速度は保たれることもありますが、典型的なGBSでは低下します。正しくは:末梢神経伝導検査で伝導速度が低下することが多い。選びやすい理由:Guillain-Barré症候群にはいくつかの病型があり、軸索型の存在を知っていると、必ずしも伝導速度が低下しないと考えてしまう可能性があります。しかし、国試では典型的なAIDPの所見が問われることが多いです。混同注意:末梢神経の脱髄と軸索変性という異なる病態と、それが神経伝導速度に与える影響の違いが混同しやすいです。
国試ポイント
Guillain-Barré症候群は、国家試験で頻出の疾患です。症状(上行性麻痺、感覚障害、呼吸筋麻痺、自律神経症状)、診断基準(先行感染、左右対称性麻痺、腱反射消失・減弱、蛋白細胞解離)、検査所見(髄液検査での蛋白細胞解離、神経伝導速度低下)、治療法(免疫グロブリン静注療法、血漿交換療法)について正確に理解しておく必要があります。特に、呼吸筋麻痺による生命の危険性や、症状の進行性について問われることが多いです。
混同注意
GBSは、ポリオ、重症筋無力症、CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)など、他の神経筋疾患との鑑別が重要です。特にCIDPはGBSに似ていますが、進行が慢性的な点で異なります。
次に同じ論点が出たら
次にGuillain-Barré症候群に関する問題が出題された場合、症状の進行パターン(上行性麻痺)、髄液検査所見(蛋白細胞解離)、神経伝導検査所見(伝導速度低下)、および急性期治療法(免疫グロブリン療法、血漿交換療法)に注目して選択肢を判断しましょう。
関連知識
Guillain-Barré症候群は、主に急性炎症性脱髄性多発神経炎(AIDP)と呼ばれ、末梢神経のミエリン鞘が自己免疫により攻撃されることで発症します。その他、軸索型のAMAN(急性運動性軸索ニューロパチー)やAMSAN(急性運動感覚性軸索ニューロパチー)、フィッシャー症候群などの亜型も存在します。これらの亜型では、病態や神経伝導検査の所見がAIDPとは異なる場合があります。