統合失調症の家族心理教育で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
統合失調症の家族心理教育は、家族が病気について正しく理解し、患者との関わり方やストレスへの対処法などのスキルを身につけることで、家族全体の負担を軽減し、患者の再発予防や社会復帰を促進することを目的としています。家族の対処能力向上は、その核となる目標です。
選択肢ごとの解説
- 1. 家族心理教育では、参加する家族の範囲は家族自身が決定することが尊重されます。一方的に専門家が指定するものではありません。正しくは:家族心理教育の対象となる家族構成員は、家族自身が選択します。選びやすい理由:専門家がプログラムの運営を主導するため、対象者の決定権も専門家にあると考えがちかもしれません。混同注意:介入の専門性と家族の自己決定権のバランス。
- 2. 家族心理教育は、家族を疾患の原因とは捉えません。むしろ、疾患への対処能力を高めるための支援を目的としています。過去の家族原因論は現在では否定されています。正しくは:家族心理教育は、家族を疾患の原因とは捉えず、協働して病気への対処方法を学び、支援する対象としています。選びやすい理由:過去には精神疾患と家族関係を結びつける説もあり、古い知識と混同する可能性があります。混同注意:家族システム論など、家族の相互作用に注目する視点と、家族が病気の原因であるという非科学的な考え方。
- 3. 正解。統合失調症の家族心理教育の重要な目的は、家族が病気について理解を深め、患者との関わり方やストレスマネジメントなどの対処スキルを向上させることです。これにより、家族全体のQOL向上や再発予防に貢献します。
- 4. 家族心理教育では、家族の過度な情緒的巻き込まれ(Expressed Emotion: EE)が高いと、患者の再発リスクが高まることが知られているため、むしろ適切な距離感を保ち、情緒的な過干渉を避けるよう支援します。正しくは:日常生活において、家族が患者に対して適切な距離を保ち、情緒的な過干渉を避けるよう支援します。選びやすい理由:家族の絆やサポートは重要であるため、「情緒的な関与」が良いことだと錯覚する可能性があります。混同注意:「サポート」と「過干渉」の違い。
- 5. 感情表出(EE)が高い家族は、患者の再発リスクを高める要因となるため、対面接触時間を長くさせる指導は適切ではありません。むしろ、接触時間や関わり方を調整し、EEを低減するための介入が必要です。正しくは:感情表出(EE)が高い家族に対しては、患者の再発リスクを考慮し、対面接触時間や関わり方を調整するよう支援します。選びやすい理由:家族との交流が少ないことが問題と捉え、単純に接触時間を増やすことが解決策だと誤解する可能性があります。混同注意:「家族との交流」と「高EE」の影響。
国試ポイント
統合失調症の家族心理教育の目的や具体的な介入内容について、基本的な理解が問われる問題です。特に「感情表出(EE)」に関する知識は頻出です。
混同注意
家族療法と家族心理教育の違い。家族療法は家族の病理自体に介入することもあるが、家族心理教育は病気に対する対処能力向上に焦点を当てる。また、ポジティブな家族サポートと、過干渉や高EEとの区別。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、家族心理教育の具体的な介入技法、高EEの構成要素(批判、敵意、情緒的巻き込まれ)、家族が患者に与えるポジティブな影響、アウトカム評価について注目しましょう。
関連知識
統合失調症の治療における家族の役割、高EE(Expressed Emotion)の概念とその影響、家族心理教育の具体的な技法(情報提供、コミュニケーションスキルトレーニング、問題解決スキルなど)。