統合失調症の服薬アドヒアランス〈服薬遵守〉を低下させるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
統合失調症の服薬アドヒアランスは、治療効果の安定性や再発予防に極めて重要です。服薬回数が多いと、飲み忘れや服薬の負担が増大し、アドヒアランスが低下しやすくなります。他の選択肢は、服薬方法の簡素化(1、5)、患者の主体性向上(3)、副作用対策(4)など、いずれもアドヒアランス向上に寄与する要因です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは服薬アドヒアランスを向上させる要因です。薬の種類が減れば、患者の負担が軽減され、飲み忘れや間違いが減少するため、指示通りに服用しやすくなります。正しくは:「服用する薬の種類を少なくする」ことは、服薬アドヒアランスの向上に繋がります。選びやすい理由:薬の種類を減らすことは、患者にとって負担が減るため、服薬を継続しやすくなるという点で、正しい選択肢に見えるかもしれませんが、問題は「低下させる要因」を問うています。混同注意:服薬アドヒアランス低下要因と向上要因を混同しやすいです。種類が少ない方が服薬しやすいため、低下要因ではありません。
- 2. 正解。服薬回数が増えることは、患者の日常生活における負担や手間を増加させ、飲み忘れのリスクを高めるため、服薬アドヒアランスを低下させる主要な要因となります。
- 3. これは服薬アドヒアランスを向上させる重要な要因です。患者が自身の治療目標を理解し、治療に主体的に関わることで、服薬の必要性や意義を認識し、自律的に服薬を継続しやすくなります。正しくは:「治療計画や目標について患者本人と十分に話し合う」ことは、服薬アドヒアランスの向上に繋がります。選びやすい理由:患者とのコミュニケーションは治療上非常に重要であるため、これが服薬アドヒアランスに良い影響を与えることは明らかですが、問題は「低下させる要因」を問うています。混同注意:服薬アドヒアランス低下要因と向上要因を混同しやすいです。患者参加はアドヒアランス向上に寄与します。
- 4. これは服薬アドヒアランスを向上させる要因です。副作用は患者にとって不快であり、服薬中止の大きな原因となるため、副作用に適切に対処することは、患者が安心して服薬を継続するために不可欠です。正しくは:「副作用の有無を確認し、適切な対策を講じる」ことは、服薬アドヒアランスの向上に繋がります。選びやすい理由:副作用は服薬アドヒアランスを低下させる要因ですが、この選択肢は「副作用に対応する」とあり、これはアドヒアランス低下を防ぎ向上させる行為です。問題文を注意深く読む必要があります。混同注意:副作用の存在自体がアドヒアランスを低下させる要因であることと、副作用への対応がアドヒアランスを向上させる行為であることとを混同しやすいです。
- 5. これは服薬アドヒアランスを向上させる要因です。持続性注射剤は、頻繁な経口薬の服用が不要になるため、患者の服薬負担を大幅に軽減し、飲み忘れを防ぎ、服薬の確実性を高めます。正しくは:「持続性注射剤(デポ剤)の活用を検討する」ことは、服薬アドヒアランスの向上に繋がります。選びやすい理由:注射剤の使用は一部の患者にとって抵抗がある場合もありますが、全体的には服薬の煩雑さを減らし、アドヒアランス向上に寄与する手法として知られています。混同注意:経口薬から注射剤への変更という点でネガティブな印象を持つかもしれませんが、デポ剤は長期的な服薬遵守には有効な手段です。
国試ポイント
統合失調症患者の服薬アドヒアランスに関連する要因について問われています。特に、アドヒアランスを低下させる要因と向上させる要因を区別する知識が求められます。患者中心のケアや薬物療法の工夫がアドヒアランスにどう影響するかを理解しているかが問われるポイントです。
混同注意
服薬アドヒアランスの低下要因と向上要因が混同しやすいです。特に、「副作用」のように、その存在自体は低下要因であっても、「副作用への対応」は向上要因になるため、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、統合失調症に限らず、精神疾患全般における服薬アドヒアランスの向上策や阻害要因について、より具体的な介入方法(例:認知行動療法を用いた服薬支援、服薬管理ツールの活用)を問う問題が出る可能性があります。また、多職種連携における薬剤師や看護師の役割に焦点を当てる可能性もあります。
関連知識
服薬アドヒアランス向上のための介入には、服薬指導、服薬カレンダーやピルケースの活用、家族の協力、多職種連携によるサポート、患者教育、簡易な服薬レジメン(1日1回など)の検討、持続性注射剤の使用、副作用への積極的な対処などが挙げられます。また、患者の病識、服薬に対する自己効力感、治療同盟の構築も重要な要素です。