右心不全の症候として正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
右心不全は、右心室のポンプ機能が低下し、全身から戻る静脈血を十分に肺に送り出せない状態を指します。このため、全身の静脈系に血液がうっ滞し、様々な症状が現れます。具体的には、肝臓や脾臓への血液うっ滞による腫大、腹水、頸静脈の怒張、そして重力の影響を受けやすい下肢に発生する浮腫(むくみ)が代表的な症候です。一方、肺水腫、起坐呼吸、チアノーゼは主に左心不全や他の呼吸器・循環器疾患で見られる症状であり、右心不全の主要な症候とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺水腫は左心不全の主要な症状であり、左心室から血液が全身に十分に送り出されず、肺に血液がうっ滞することで発生します。右心不全では全身への静脈還流が滞るため、直接的な原因とはなりにくいです。正しくは:左心不全の症状として挙げられる。選びやすい理由:心臓の機能不全全般の重篤な症状として誤解しやすい。混同注意:左心不全の症状
- 2. 正解。右心不全では、全身からの静脈血が心臓に戻りにくくなるため、腹腔内の臓器、特に肝臓や脾臓に血液がうっ滞し、結果として腫大することがよく見られます。これは全身性の静脈うっ血の兆候です。
- 3. 起坐呼吸は、横になると呼吸が苦しくなる症状で、主に肺うっ血や肺水腫を伴う左心不全で典型的に見られます。右心不全では全身の静脈うっ滞が主体であり、直接的な原因とはなりにくいです。正しくは:左心不全の症状として挙げられる。選びやすい理由:呼吸困難全般の症状として心疾患に結びつけやすい。混同注意:左心不全の症状
- 4. 正解。右心不全では、右心室が全身から戻る静脈血を十分に肺へ送り出せないため、体幹や下肢の静脈に血液がうっ滞しやすくなります。これにより、特に重力の影響を受けやすい下肢に浮腫が生じます。これは全身性の静脈うっ血の代表的な症状です。
- 5. チアノーゼは、血液中の酸素飽和度が低下することで皮膚や粘膜が青紫色になる状態です。これは主に肺のガス交換障害(呼吸器疾患)や、左心不全による重度の肺うっ血、または先天性心疾患などによる右左シャントでみられることが多く、右心不全の主要な症候ではありません。正しくは:重度の呼吸器疾患や左心不全、先天性心疾患などでみられる。選びやすい理由:心臓病の重篤な症状として漠然と選びやすい。混同注意:左心不全の症状、呼吸不全の症状
国試ポイント
心不全の左右の違いと、それに伴う症状の鑑別が問われる。特に全身性の静脈うっ血症状が右心不全、肺うっ血症状が左心不全と区別できるか。
混同注意
左心不全と右心不全の症状の混同。心臓に関する症状全般を心不全と誤解すること。
次に同じ論点が出たら
心不全の病態生理を理解し、左右の心不全でなぜ異なる症状が出るのか、その機序を説明できるか。具体的な症例設定で、どの心不全であるかを鑑別できるか。
関連知識
左心不全の症状(肺水腫、起坐呼吸、ピンク色の泡沫痰など)、心不全の分類(NYHA分類など)、心不全の一般的な管理。