32歳男性。統合失調症。入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている。この患者に対する作業面接で、オープンスペースを用いた場面設定として最も適切な図はどれか。
画像の選択肢を選ぶと答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
統合失調症で緊張感が持続している患者に対しては、安心感を提供し、治療者が患者の視界に入りやすいように配置することが重要です。選択肢3は、患者(網掛けの円)が壁を背にして座り、治療者(黒い円)が患者の斜め前に位置しているため、患者は背後を気にすることなく、かつ治療者の様子を視覚的に把握しやすいため、最も開放的で緊張を緩和する状況設定と考えられます。これにより、患者はより安心して作業面接に集中できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者と治療者が横並びで座っており、患者の背後が開放的であるため、後方への不安感が生じやすい。また、治療者と直接向き合っておらず、視線が合いにくい配置である。正しくは:患者が壁を背にするように配置し、治療者が患者の斜め前または対面だが近すぎない位置に座る。選びやすい理由:一見すると開放的に見えるが、背後への配慮が不足している。混同注意:一般的な友好的な会話の配置。しかし、緊張の強い統合失調症患者には適さない。
- 2. 患者と治療者が向かい合って座っており、患者は治療者の背後を気にする必要はないが、治療者が正面に位置するため、患者に圧迫感を与える可能性があり、特に緊張感が強い場合には不適切である。正しくは:治療者は患者の斜め前に位置し、直接向かい合う配置は避ける。選びやすい理由:対面でしっかりと話を聞けるように見えるため。しかし、圧迫感を与えやすい。混同注意:一般的なビジネス面接や教育場面での配置。精神科領域の面接とは異なる。
- 3. 正解。患者が壁を背にして座り、治療者が患者の斜め前に位置している。これにより、患者は背後を気にすることなく安心感を得られ、かつ治療者の様子を視覚的に捉えやすいため、緊張緩和に最も適した配置である。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、他の選択肢と比べて安心感と開放感のバランスが良い点が評価される。混同注意:特に混同しやすいものはないが、他の選択肢と比較して患者の心理的安定に最も配慮した配置である。
- 4. 患者が治療者に対して背中を向けるような配置であり、患者は治療者の存在を感じにくく、また背後を気にしなければならない状況であるため、強い不安感や緊張感を増幅させる可能性が高い。正しくは:患者が治療者を視認できる位置に座り、患者の背後には壁がある状態にする。選びやすい理由:一見、患者に自由を与えているように見えるが、安心感の確保には不適切である。混同注意:患者の自立性を尊重する意図と混同しやすいが、安心感が最優先されるべき状況には合わない。
- 5. 患者は壁を背にしているものの、治療者が患者の真横に位置しており、患者は治療者の存在を視認しにくく、突然の動きに驚く可能性がある。また、治療者は患者の背後から声を発することになり、患者に不安感を与える可能性がある。正しくは:治療者は患者の斜め前に位置し、患者が無理なく治療者を視認できる配置にする。選びやすい理由:患者が壁を背にしている点は良いが、治療者の位置が不適切である。混同注意:患者のプライバシーを配慮していると誤解しやすいが、安心感や視認性が損なわれる。
国試ポイント
精神疾患患者、特に統合失調症患者の特性に応じた面接環境の設定
混同注意
一般的な面接やカウンセリングの配置と、精神疾患患者(特に緊張感の強い統合失調症患者)の配置の区別。緊張の強い患者では、背後への不安感、開放感、治療者の視覚的認識のしやすさがより重視される。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出た場合、患者の緊張や不安を軽減し、安心感を提供できるような空間配置(患者が壁を背にし、治療者が患者の斜め前に位置する配置)を選ぶ。
関連知識
精神科リハビリテーションにおける環境調整の重要性。患者の症状や状態に合わせた物理的・心理的環境設定は、治療効果を高める上で不可欠である。