二分脊椎症児の歩行能力においてHofferの分類におけるCA杖歩行群の麻痺レベルと合致するSharrardの分類はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
二分脊椎症におけるHofferの歩行能力分類とSharrardの麻痺レベル分類の対応関係を問う問題です。HofferのCA杖歩行群(Community ambulator with crutches and braces)は、地域社会内で杖や装具を用いて歩行できる能力を指します。これに合致するSharrardの分類はⅢ群です。SharrardのⅢ群は第4腰髄(L4)レベルの麻痺であり、大腿四頭筋、脛骨前筋が機能し、短下肢装具(AFO)や杖を使用することで、地域社会内の歩行が可能です。この知識は、二分脊椎症児の機能評価と予後予測において重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. SharrardのI群は、第1腰髄(L1)レベル以上の麻痺で、股関節屈筋群が全て機能し、抗重力位で股関節を屈曲させることができます。Hoffer分類では「治療的歩行群」に近く、実用的な杖歩行は困難なことが多いです。正しくは:Hoffer分類のCA杖歩行群は、より下位の麻痺レベルと関連します。選びやすい理由:二分脊椎症の分類に関する問題であるため、知識が曖昧だと他の群を選んでしまう可能性があります。混同注意:各分類の定義とそれが示す麻痺レベル、そして歩行能力の関連性が混同されがちです。
- 2. SharrardのII群は、第3腰髄(L3)レベル以上の麻痺で、大腿四頭筋は機能しますが、殿筋群は麻痺しています。Hoffer分類の「治療的歩行群」や「屋内歩行群」に該当することが多く、CA杖歩行群には満たないケースが多いです。正しくは:Hoffer分類のCA杖歩行群は、SharrardのⅢ群と対応します。選びやすい理由:Sharrard分類の区分が多いため、隣接する群と間違えやすいです。混同注意:L3、L4といった具体的な神経レベルと、それに対応する筋肉の機能、そしてHoffer分類の歩行能力との結びつきが曖昧になりがちです。
- 3. 正解。SharrardのⅢ群は、第4腰髄(L4)レベルの麻痺で、大腿四頭筋と脛骨前筋群が機能し、股関節の内転・屈曲、膝の伸展、足関節の背屈が可能です。これにより、短下肢装具(AFO)や杖を使用して地域社会内での歩行が可能となり、Hofferの「CA杖歩行群」と一致します。正しくは:この選択肢が正しいです。選びやすい理由:ありません。この選択肢が正解です。混同注意:ありません。
- 4. SharrardのIV群は、第5腰髄(L5)レベルの麻痺で、下腿三頭筋の一部も機能し始め、足関節の運動がさらに可能になります。Hoffer分類では「地域社会歩行群(短距離なら装具なしで歩ける)」や「独立歩行群」に該当することが多く、CA杖歩行群よりも高い歩行能力を示します。正しくは:CA杖歩行群よりも歩行能力が高い分類であり、Hoffer分類では「地域社会歩行群」や「独立歩行群」に相当します。選びやすい理由:歩行能力が比較的良好な群であるため、CA杖歩行群と混同しやすいかもしれません。混同注意:L5、S1といった神経レベルが示す筋機能と、それに対応するHoffer分類の具体的な歩行レベルの区別が曖昧になりやすいです。
- 5. SharrardのV群は、仙髄レベル(S1以降)の麻痺で、足関節の底屈、足指の屈曲も可能です。Hoffer分類では「独立歩行群」に相当し、ほとんどまたは全く装具なしで歩行可能なレベルであり、CA杖歩行群よりもはるかに高い歩行能力を示します。正しくは:CA杖歩行群よりもはるかに高い歩行能力を持つ分類です。選びやすい理由:完全に独立した歩行能力に近い群であるため、一部の杖歩行との区別がつきにくいかもしれません。混同注意:S1、S2といった神経レベルと、それに伴う足部の細かい運動機能、そしてHoffer分類の「独立歩行群」が混同されやすいです。
国試ポイント
二分脊椎症の機能評価に関する知識が問われます。特にHofferの歩行能力分類とSharrardの麻痺レベル分類の具体的な対応関係を正確に理解しているかが鍵となります。各分類の名称だけでなく、その内容(麻痺レベル、筋機能、歩行能力)を具体的に紐付けて覚えることが重要です。
混同注意
Hoffer分類の各群(治療的歩行群、屋内歩行群、地域社会歩行群、CA杖歩行群、独立歩行群など)と、Sharrard分類の各群(Ⅰ~Ⅴ群)が示す麻痺レベル、そしてそれらの相互関係が混同されやすいです。特に各群の歩行能力の具体的な違いや、使用する装具・補助具の違いを明確に区別することが難しいポイントです。
次に同じ論点が出たら
Hoffer分類とSharrard分類の対応を問う問題は頻出です。次に類題が出た場合は、各分類の定義、特に『どの神経レベルの麻痺が、どのような筋機能と歩行能力につながるか』という因果関係を問われる可能性が高いです。また、具体的な装具の選択理由と歩行能力の変化についても注意が必要です。
関連知識
二分脊椎症における脊髄病変部位と機能障害の関連、神経支配、関連する筋群の機能、使用される装具の種類と目的、歩行能力評価スケール、機能的自立度評価(FIM)など。