双極性障害の躁状態の特徴で適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
双極性障害の躁状態では、思考の奔逸や観念奔逸がみられ、注意が次々と移るため、集中力が持続せず、むしろ注意散漫になるのが特徴です。注意力が増強され、集中力が持続するという記述は適切ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 躁状態では、自己評価が非現実的に高まり、自尊心の肥大が見られます。正しくは:これは躁状態の特徴の一つです。選びやすい理由:自信があることは良いことのように思えるかもしれませんが、過度な肥大は病的な状態です。混同注意:単なるポジティブ思考や高い自己肯定感とは異なります。
- 2. 正解。躁状態では、思考の奔逸や観念奔逸のため、注意が散漫になりやすく、一つのことに集中し続けることが困難になります。注意力の増強や持続とは反対の症状です。正しくは:適切には「注意散漫」となります。選びやすい理由:活動的になることから、何でもできるような感覚に陥り、注意力も高まるように誤解しやすいです。混同注意:ADHDにおける注意集中困難とは質が異なります。躁状態では刺激に対して過剰に反応し、次々と注意の対象が移ります。
- 3. 躁状態では、睡眠欲求が著しく減少し、数時間程度の睡眠でも疲労を感じないことがあります。これは躁状態の主要な特徴の一つです。正しくは:これは躁状態の特徴の一つです。選びやすい理由:活動的でエネルギーが満ち溢れているため、睡眠が不要と感じる状態です。混同注意:不眠症とは異なり、寝る必要がないと感じている点で質が異なります。
- 4. 躁状態では、結果を考えずに快楽的な活動(ギャンブル、浪費、性的な逸脱など)に没頭することがよく見られます。これは躁状態の危険な特徴の一つです。正しくは:これは躁状態の特徴の一つです。選びやすい理由:気分が高揚しているため、一時的な楽しみに流されやすい状態です。混同注意:趣味への没頭や気分の高揚とは異なり、社会的・経済的に破綻を招くリスクの高い行動を伴います。
- 5. 躁状態では、仕事や学業、社交活動など、目標に向かう活動が異常に活発になることがあります。これはしばしば空回りや非効率を伴います。正しくは:これは躁状態の特徴の一つです。選びやすい理由:一見、非常に生産的であるかのように見えることがありますが、実際の成果には結びつきにくいことが多いです。混同注意:単なる意欲の高さや活動性の向上とは異なり、逸脱した行動や他者との軋轢を生むことがあります。
国試ポイント
双極性障害の躁状態の診断基準(DSM-5など)に含まれる主要な症状を正確に理解しているかを問う問題です。特に、一見ポジティブに捉えられがちな症状の裏にある病理的な側面を区別できるかが重要です。
混同注意
躁状態における「活動亢進」と「注意力の増強」を混同しやすい。活動亢進は認められるが、それは注意散漫を伴うことが多く、集中力の持続とは異なる。
次に同じ論点が出たら
今後、双極性障害のうつ状態の症状や、躁状態と軽躁状態の鑑別点、あるいは薬物療法・精神療法に関する問題が出題される可能性があります。
関連知識
DSM-5の双極I型障害および双極II型障害の診断基準、特に躁病エピソードと軽躁病エピソードの定義。気分高揚、易刺激性、活動性亢進、思考奔逸、観念奔逸、睡眠欲求の減少、自尊心の肥大、快楽追求行動などが主要な症状として挙げられます。