二分脊椎のSharrardの分類で股関節屈曲・内転運動が正常で外転が作用し始め、短下肢装具を用いて杖歩行が可能となるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Sharrardの分類は、二分脊椎症患者の脊髄損傷レベルとそれに対応する下肢の筋力および歩行能力を関連付けたものです。Ⅲ群は、股関節の屈曲(腸腰筋)、内転(内転筋群)が正常に機能し、さらに外転筋(中殿筋など)が働き始める状態を指します。この筋力レベルであれば、短下肢装具(AFO)と杖(クラッチなど)を用いることで歩行が可能となります。
選択肢ごとの解説
- 1. Ⅱ群は腸腰筋が一部機能し、股関節屈曲が可能ですが、内転筋や外転筋はまだ機能せず、短下肢装具や杖歩行は困難なレベルです。Sharrard分類では、さらに下位の筋力レベルを示します。正しくは:Ⅱ群は股関節屈曲が一部可能で、装具なしでの歩行は困難なレベルです。選びやすい理由:分類の初期段階として誤って選んでしまう可能性がありますが、股関節機能や歩行能力の記述とは合いません。混同注意:他の分類や、Sharrard分類内の異なる筋力レベルと混同する可能性があります。
- 2. 正解。Ⅲ群は、股関節の屈曲と内転筋が正常に機能し、外転筋も働き始めるため、短下肢装具と杖の補助があれば歩行が可能です。これはSharrard分類のⅢ群の定義と一致します。正しくは:該当の記述はSharrard分類のⅢ群に正確に合致します。選びやすい理由:問題文の具体的な身体機能と歩行能力の記述がこの群の定義と一致するため、正しい選択肢として選びやすいです。混同注意:各群の筋力レベルとそれに対応する歩行能力を正確に理解していれば混同は少ないです。
- 3. Ⅳ群は、股関節の屈曲、内転、外転に加え、膝関節の屈曲も可能になるレベルです。このレベルでは、さらに安定した歩行が可能となり、問題文の記述よりも高い機能レベルを示します。正しくは:Ⅳ群は、股関節と膝関節の機能がさらに向上し、膝継手付き装具で杖歩行が可能なレベルです。選びやすい理由:歩行能力が向上する次の段階として選んでしまうかもしれませんが、膝関節屈曲の有無がポイントです。混同注意:Ⅲ群とⅣ群は歩行能力の点で連続性があるため、どこまで筋力が向上しているかという点で混同しやすいです。
- 4. Ⅴ群は、足関節の背屈も可能となるレベルで、短下肢装具のみで杖なし歩行が可能になります。問題文の記述(杖歩行)よりも高い機能レベルです。正しくは:Ⅴ群は、足関節の背屈が可能で、短下肢装具のみで杖なし歩行が可能なレベルです。選びやすい理由:自立歩行に近い段階として魅力的に映るかもしれませんが、杖の有無で判断が分かれます。混同注意:杖の有無や、装具の種類で、各群の歩行レベルを正確に区別する必要があります。
- 5. Ⅵ群は、足関節の底屈も可能となり、装具なしで自力歩行ができるレベルです。これは問題文の記述(短下肢装具と杖歩行)よりもはるかに高い機能レベルです。正しくは:Ⅵ群は、足関節の底屈も可能で、装具なしで自力歩行が可能なレベルです。選びやすい理由:最も機能レベルが高い群として選んでしまうかもしれませんが、問題文の記述とは大きく異なります。混同注意:完全に独立した歩行ができるレベルを指すため、他の群との混同は比較的少ないかもしれません。
国試ポイント
この問題は、二分脊椎症におけるSharrard分類の内容を正確に理解しているかを問うものです。特に、各分類群における特徴的な筋機能と、それによって達成可能な歩行レベルを紐付けて覚えているかが重要です。それぞれの群でどの筋肉が機能し、どのような装具や補助具が必要で、どのような歩行が可能になるかを正確に把握しておく必要があります。
混同注意
Sharrard分類の各群は、筋力レベルと歩行能力が段階的に変化するため、隣接する群(例:Ⅱ群とⅢ群、Ⅲ群とⅣ群)の特徴を混同しやすいです。特に、どの筋群が機能し始めるか、どのような装具が必要か、杖の有無で歩行能力がどう区別されるかを明確にすることが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、Sharrard分類の各群の定義(機能する筋群、残存する機能、装具の種類、歩行能力)を、特に隣接する群との違いに注目して確認することが重要です。また、分類名だけでなく、各群の機能レベルに対応する脊髄神経根レベル(例:L1、L2など)も問われる可能性があるため、関連付けて学習することが必要です。
関連知識
Sharrard分類以外の二分脊椎症の分類方法(例えば、Lehman分類など)や、各脊髄損傷レベル(例:L1、L2など)と対応する筋支配、臨床症状についても関連知識として押さえておくことが望ましいです。また、短下肢装具(AFO)、長下肢装具(KAFO)、股継手付き装具(HKAFO)など、様々な装具の種類と適応についても理解が求められます。