うっ血性心不全の急性増悪時にみられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
うっ血性心不全の急性増悪時には、心臓のポンプ機能が著しく低下し、体液の貯留と末梢循環の不良が顕著になります。これにより、体液が血管外に漏れ出して浮腫(選択肢1)が生じ、また、重要臓器への血流を維持するために末梢血管が収縮し、四肢の血流が減少することで冷感(選択肢2)を呈します。これらの症状は、急性心不全の代表的な身体所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。心不全が悪化すると、心臓のポンプ機能が低下し、全身に血液を十分に送り出せなくなります。これにより、体液が血管外に漏れ出しやすくなり、特に下肢などに浮腫として現れます。これは右心不全の主要な症状の一つです。
- 2. 正解。心臓の機能が低下すると、生命維持に必要な臓器(脳や心臓など)への血流を優先するため、末梢の四肢への血流が減少します。この結果、四肢の体温が低下し、冷感として感じられます。これは心拍出量低下の徴候です。
- 3. 急性増悪時のうっ血性心不全では、体液貯留によって体重が増加することが一般的です。正しくは:体液貯留による体重増加がみられます。選びやすい理由:他の疾患(悪性腫瘍など)では体重減少が見られるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:他の消耗性疾患による体重減少と混同しやすいですが、心不全では体液貯留による体重増加が特徴です。
- 4. 心不全が悪化すると、右心系の負担が増大し、頸静脈の血液が心臓に戻りにくくなるため、頸静脈圧は上昇します。正しくは:頸静脈圧は上昇します。選びやすい理由:正常な状態や治療によって改善した際には低下しますが、急性増悪時は逆です。混同注意:心不全では体液貯留や右心系負荷により中心静脈圧(CVP)が上昇し、これが頸静脈圧として現れます。低下は改善を示唆します。
- 5. うっ血性心不全では、体液貯留や抗利尿ホルモン(ADH)の分泌亢進、ナトリウム利尿ペプチドの作用低下などにより、相対的に水が過剰になることが多く、低ナトリウム血症をきたすことが多いです。高ナトリウム血症は通常みられません。正しくは:低ナトリウム血症をきたすことが多いです。選びやすい理由:ナトリウム摂取量を制限する指示があるため、ナトリウムの変動そのものが心不全と関連するという点で注目しがちですが、高ナトリウム血症は一般的ではありません。混同注意:低ナトリウム血症と混同しやすいです。心不全では水貯留が優先され、希釈性低ナトリウム血症がよくみられます。
国試ポイント
うっ血性心不全の病態生理に基づいた急性増悪時の主要な身体所見を理解しているか問う問題です。心不全による体液貯留と心拍出量低下の徴候がポイントとなります。
混同注意
心不全の慢性期症状や、心不全の治療によって改善した際の所見と混同しないように注意が必要です。特に体重変動や電解質バランスについては、病態の時期や状況によって異なるため、正確な知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、うっ血性心不全の右心不全と左心不全それぞれの特徴的な症状や、心拍出量低下に伴う症状(例:倦怠感、頻脈、呼吸困難)についても確認できるよう準備すると良いでしょう。
関連知識
心不全のフォレスター分類、ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類、心不全の病態生理(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系、交感神経系の賦活など)、心不全の薬物療法(利尿薬、ACE阻害薬、β遮断薬など)とその作用。