統合失調症で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
統合失調症の予後に関する因子として、若年発症は一般的に予後不良因子とされています。発症年齢が低いほど、認知機能への影響が大きく、社会適応が困難になる傾向があるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性発症は、一般的に慢性発症と比較して予後が良いとされています。これは、急激な発症の場合、元の機能水準が高く、適切な治療への反応が良い傾向があるためです。正しくは:急性発症の場合、一般的に予後は比較的良好です。選びやすい理由:発症が突然であることに不安を感じ、悪い予後を連想してしまうかもしれませんが、統合失調症においては逆の傾向があります。混同注意:他の疾患において、急性発症が重篤な病態を示す場合があることと混同しやすいです。
- 2. 正解。統合失調症において、若年での発症(特に思春期以前)は、脳の発達段階への影響や、病識の獲得、社会機能の維持が困難になることから、予後不良因子とされています。
- 3. 一般的に、女性は男性と比較して統合失調症の予後が良い傾向にあります。女性ホルモンが保護的に働く可能性や、発症年齢が男性より遅いことなどが関連していると考えられています。正しくは:女性は男性に比べて、病気の経過が比較的良好なことが多いです。選びやすい理由:精神疾患全般のイメージから、女性の方が精神的にデリケートで予後が悪いと誤解する可能性があります。混同注意:他の精神疾患の疫学的な性差や、性差と予後の関係性と混同しやすいです。
- 4. 統合失調症の発症率に性差はほとんどなく、生涯罹患率は男女ともに約1%と同程度とされています。ただし、発症年齢には性差があり、男性は10代後半から20代前半、女性は20代後半から30代前半にピークがあります。正しくは:男性の発症率と女性の発症率はほぼ同等です。選びやすい理由:特定の精神疾患や身体疾患で男女差が大きいものがあるため、統合失調症でも大きな性差があると錯覚する可能性があります。混同注意:統合失調症の症状や経過における性差と、発症率の性差を混同しやすいです。
- 5. 発症から治療開始までの期間(Duration of Untreated Psychosis: DUP)が短いほど、予後が良好であるというエビデンスが多く報告されています。早期介入は、病状の悪化を防ぎ、社会機能の維持に重要です。正しくは:発症から治療開始までの期間が短いほど、予後は良好である可能性が高いです。選びやすい理由:医療介入のタイミングが直接的な予後に結びつきにくいと考える人もいるかもしれませんが、精神疾患においては早期介入の重要性が強調されています。混同注意:一般的な慢性疾患の進行と治療開始時期の関係性や、薬物療法開始のタイミングと症状改善の関係性と混同しやすいです。
国試ポイント
統合失調症の予後に関する臨床的特徴や疫学的知識が問われています。予後因子、発症率、性差、治療開始時期など、基礎的ながらも誤解しやすいポイントを正確に理解しているかが試されます。
混同注意
予後良好因子(例:急性発症、女性、明らかな誘因、陽性症状が主)と予後不良因子(例:若年発症、男性、陰性症状が主、家族歴)を混同しやすい。また、発症率の性差と発症年齢のピークの性差も混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、予後良好因子と予後不良因子を一覧で整理し、それぞれの具体的な内容(例:発症様式、性別、発症年齢、優勢症状、病前性格、家族歴、社会サポートなど)を問う問題が出題される可能性があります。また、早期介入の具体的な効果について問われることも考えられます。
関連知識
統合失調症の診断基準(DSM-5など)、病態生理、薬物療法・非薬物療法(心理社会的療法)、リハビリテーションに関する知識。特に早期介入の重要性や、各治療法が予後に与える影響についても理解しておく必要があります。