関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。
画像の選択肢を選ぶと答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
選択肢1の「屈曲(挙上)」は、肩関節の屈曲を測定する際、体幹を固定し上腕骨が体幹に沿って挙上される状態を示すため、正しい図です。選択肢4の「頸部右側屈」は、頸部を右側に傾ける動作であり、正中線からの角度で測定されるため、これも正しい図です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肩関節の屈曲(挙上)の測定図として正しい。体幹を基準に、上腕骨の挙上角度を測っている。選びやすい理由:一見して肩の運動を示しているように見えるため。混同注意:肩関節の外転、または複合的な肩関節運動。
- 2. 「肩内転」と記載されているが、図は肩関節の内旋を示している。肩の内旋は、肘を90度屈曲させ、前腕を内側に回す運動を指す。正しくは:図は「肩内旋」であるべきか、あるいは「肩内転」であれば上腕が体幹に近づく動きを示すべきである。選びやすい理由:腕が体幹に近づく方向への動きに見えるため、内転と誤解しやすい。混同注意:肩関節の内旋と内転。
- 3. 「胸腰部屈曲」と記載されているが、図は体幹の屈曲時に指先が床からどれくらい離れているか(指床間距離)を測定している。これは胸腰部の屈曲角度を直接測定する方法ではない。正しくは:胸腰部屈曲の測定は、体幹を側方から見て、体幹の傾きを角度で測定するのが一般的である。あるいは、指床間距離の測定であっても「胸腰部屈曲」という記載は適切ではない。選びやすい理由:体幹の屈曲運動を表しているように見えるため、正しいと判断しやすい。混同注意:胸腰部の屈曲角度測定と、指床間距離測定(ROMとは異なる簡易評価)。
- 4. 正解。頸部の右側屈の測定図として正しい。頸部を正中線から右に傾けた際の角度を測っている。選びやすい理由:頸部の運動を示しており、直感的に理解しやすいため。混同注意:頸部回旋。
- 5. 「足部外転」と記載されているが、図は足関節の内反を示している。足部外転は足が外側を向く動きで、多くは股関節の外旋を伴うが、この図では足底が内側を向いている。正しくは:図は「足関節内反」であるべきである。足部外転の測定は、足趾の軸と体の正中線からの角度で測定する。選びやすい理由:足が何らかの形で外側を向いているように見えるため、外転と誤解しやすい。混同注意:足関節の内反、外反、外転、内転。
国試ポイント
関節可動域測定の基本肢位と測定方法(特に基準となる部位と運動方向)を理解しているかが問われる。日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準における各関節の測定法を正確に覚える必要がある。
混同注意
各関節の測定において、運動方向と測定軸が混同しやすい。特に、屈曲と伸展、内転と外転、内旋と外旋の区別が重要である。また、他動運動と自動運動、代償動作の有無も判断を誤る原因となる。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず図に示されている関節運動が何かを特定し、その上で、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準の基本肢位と測定方法に合致しているかを詳細に確認する。
関連知識
各関節の基本肢位、最終域、正常値、測定器具(角度計、巻尺など)の使用法。肩関節の屈曲・伸展・外転・内転・内外旋、肘関節の屈曲・伸展、前腕の回内・回外、股関節の屈曲・伸展・外転・内転・内外旋、膝関節の屈曲・伸展、足関節の背屈・底屈・内外反、頸椎の屈曲・伸展・側屈・回旋などの測定法。