糖尿病性ケトアシドーシスに関連する呼吸はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
糖尿病性ケトアシドーシスでは、インスリン作用不足によりブドウ糖が細胞内に取り込まれず、脂肪が分解されてケトン体が増加します。ケトン体は酸性物質であるため、血液が酸性に傾く代謝性アシドーシスを引き起こします。このアシドーシスを代償するため、体は二酸化炭素(酸性物質)を排出する目的で、深く速い呼吸(Kussmaul呼吸)を行います。
選択肢ごとの解説
- 1. 下顎呼吸は、脳幹部の機能が重度に低下した際に見られる、死が間近な状態を示す不規則で浅い呼吸です。正しくは:糖尿病性ケトアシドーシスでは、代謝性アシドーシスを代償するための過換気呼吸が見られます。選びやすい理由:呼吸の異常であるため、一見選択肢としてありそうに見えるかもしれませんが、原因が異なります。混同注意:他の重篤な状態で見られる呼吸パターンと混同しやすいです。
- 2. 起坐呼吸は、心不全や重度の呼吸不全などにより、横になると呼吸が苦しくなるため、座った姿勢で呼吸する状態を指します。正しくは:糖尿病性ケトアシドーシスでは、代謝性アシドーシスを代償するための過換気呼吸が見られます。選びやすい理由:呼吸困難を伴う状態であるため、選択肢として考慮するかもしれませんが、糖尿病性ケトアシドーシスの主要な症状とは直接関連しません。混同注意:心原性または呼吸器疾患による呼吸困難と混同しやすいです。
- 3. Biot呼吸は、不規則な間隔で呼吸が停止する無呼吸期が特徴で、髄膜炎や脳損傷、脳幹の障害などで見られます。正しくは:糖尿病性ケトアシドーシスでは、代謝性アシドーシスを代償するための過換気呼吸が見られます。選びやすい理由:重篤な疾患で見られる呼吸パターンであるため、関連があるように感じられるかもしれませんが、原因が異なります。混同注意:他の脳神経系の重篤な疾患による呼吸パターンと混同しやすいです。
- 4. 正解。Kussmaul呼吸は、糖尿病性ケトアシドーシスで生じる代謝性アシドーシスを代償するために、深く速い呼吸を繰り返す特徴的なパターンです。これにより、体内の二酸化炭素を排出し、酸-塩基平衡を是正しようとします。
- 5. Cheyne-Stokes呼吸は、呼吸が徐々に深く速くなり、その後徐々に浅く遅くなって一時的に停止するという周期的な呼吸パターンです。心不全、脳疾患(脳卒中、脳腫瘍など)、薬物中毒などで見られます。正しくは:糖尿病性ケトアシドーシスでは、代謝性アシドーシスを代償するための過換気呼吸が見られます。選びやすい理由:周期的な呼吸異常であり、重篤な状態で見られるため関連があるように思えるかもしれませんが、病態生理が異なります。混同注意:他の脳機能障害や心不全による呼吸パターンと混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、糖尿病性ケトアシドーシスの病態生理とその特徴的な症状である呼吸パターンを結びつけて理解しているかを問うものです。各疾患に特有の呼吸様式を正確に覚えている必要があります。
混同注意
様々な呼吸パターン(例:Biot呼吸、Cheyne-Stokes呼吸、下顎呼吸)は、それぞれ異なる病態(脳幹障害、心不全、末期状態など)と関連しているため、それぞれの特徴と原因疾患を正確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
この問題で問われた知識が不確かだった場合、各呼吸パターンの定義、原因疾患、関連する病態生理について再度学習し、臨床的な場面でどの呼吸パターンがどの疾患と結びつくのかを判断できるように訓練する必要があります。特に、代謝性アシドーシスと呼吸性アシドーシス・アルカローシスの代償機転については深く理解しておくべきです。
関連知識
糖尿病性ケトアシドーシスの症状として、Kussmaul呼吸の他に、多飲、多尿、体重減少、倦怠感、腹痛、悪心・嘔吐、意識障害、アセトン臭(甘酸っぱい臭い)などがあります。また、アシドーシスの重症度に応じて、意識レベルも変化します。