70歳の男性。慢性心不全。NYHA分類Ⅱ度。安静時心拍数70/分、Karvonen法による運動時の1分間の目標心拍数はどれか。ただし、係数は0.5とする。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Karvonen法による目標心拍数の計算式は、目標心拍数 = (最大心拍数 - 安静時心拍数) × 運動強度係数 + 安静時心拍数 です。まず、最大心拍数を計算します。年齢が70歳なので、最大心拍数 = 220 - 70 = 150 (拍/分) となります。次に、心拍数予備を計算します。心拍数予備 = 最大心拍数 - 安静時心拍数 = 150 - 70 = 80 (拍/分) となります。最後に、目標心拍数を計算します。目標心拍数 = (80 × 0.5) + 70 = 40 + 70 = 110 (拍/分) となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 計算が誤っています。心拍数予備を低く見積もりすぎているか、安静時心拍数を考慮に入れていない可能性があります。正しくは:Karvonen法で正確に計算すると110拍/分になります。選びやすい理由:安静時心拍数に単に係数をかけただけなど、簡易的な計算をした場合にこの値に近い数字になるかもしれません。混同注意:最高心拍数の計算式(220-年齢)を誤って使用したり、係数の適用を間違えたりした可能性が考えられます。
- 2. 計算が誤っています。心拍数予備を低く見積もっているか、安静時心拍数を適切に加算していない可能性があります。正しくは:Karvonen法で正確に計算すると110拍/分になります。選びやすい理由:最高心拍数から年齢を引いた値(150)に係数0.5を掛けただけの75に、安静時心拍数70を加算すると145になるため、これとも異なる。誤った計算式を用いた可能性が高いです。混同注意:Karvonen法の計算ステップを一部省略したり、誤解したりしている可能性があります。
- 3. 正解。Karvonen法に基づく計算は次の通りです。最大心拍数 = 220 - 年齢 = 220 - 70 = 150 (拍/分)。心拍数予備 = 最大心拍数 - 安静時心拍数 = 150 - 70 = 80 (拍/分)。目標心拍数 = (心拍数予備 × 運動強度係数) + 安静時心拍数 = (80 × 0.5) + 70 = 40 + 70 = 110 (拍/分)。
- 4. 計算が誤っています。心拍数予備に係数を乗じた後、安静時心拍数を加算する際に誤りがあったか、係数を高く設定しすぎた可能性があります。正しくは:Karvonen法で正確に計算すると110拍/分になります。選びやすい理由:最大心拍数(150)に係数0.5を掛けると75となるため、安静時心拍数と何かを誤って加算してしまった場合にこの値に近い数字になる可能性があります。混同注意:Karvonen法の計算式を、『(最大心拍数 - 安静時心拍数)×係数』と、『最大心拍数×係数』を混同したり、安静時心拍数の加え方を誤ったりした可能性があります。
- 5. 計算が誤っています。運動強度の係数を高く設定しすぎたか、安静時心拍数との関係を誤って計算した可能性があります。正しくは:Karvonen法で正確に計算すると110拍/分になります。選びやすい理由:最大心拍数150に近い値であり、計算式の途中段階の数字を誤って選択肢として選んでしまった可能性があります。混同注意:最大心拍数や目標心拍数算出の別の方法(例:年齢予測最大心拍数の〇〇%など)と混同した可能性があります。
国試ポイント
この問題は、Karvonen法を用いた目標心拍数の計算方法を正確に理解しているかを問うものです。特に、最大心拍数の算出(220-年齢)、心拍数予備の概念、そして運動強度係数と安静時心拍数を適切に計算に組み込むことが重要です。慢性心不全患者における運動処方の一環として、心臓リハビリテーションで重要な指標となります。
混同注意
目標心拍数の計算方法として、最大心拍数の〇〇%といった単純な方法とKarvonen法を混同しやすいです。Karvonen法は心拍数予備を用いるため、安静時心拍数が高い患者でも適切な運動強度を設定できる利点があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、Karvonen法を用いた計算に加え、NYHA分類が運動処方へどのように影響するか(例えば、設定係数の調整など)、または自覚的運動強度(RPE)との関連性を問われる可能性があります。また、高齢者の運動処方における禁忌事項や注意点についても確認が必要です。
関連知識
Karvonen法は、個人の安静時心拍数を考慮に入れるため、運動処方のより個別化された方法として用いられます。NYHA分類(New York Heart Association分類)は、心不全の重症度を分類するもので、Ⅰ度からⅣ度まであり、Ⅱ度は「日常的な身体活動で軽度の息切れや疲労感が生じる」状態を指します。慢性心不全患者への運動処方では、目標心拍数の設定だけでなく、自覚的運動強度(RPE: Rate of Perceived Exertion)も併用して、安全かつ効果的な運動指導を行うことが重要です。