多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
多発性硬化症(MS)は中枢神経系の自己免疫疾患であり、中枢神経系(脳、脊髄、視神経)のミエリンが破壊される「脱髄病変」が特徴です。これにより、多様な神経症状が出現し、特に視神経炎による「視力低下」は高頻度に見られる初期症状の一つです。女性に多く、発症年齢は20~40歳代にピークがあり、再発と寛解を繰り返したり、進行性に症状が悪化する病型が存在するため、神経症状の進行は稀ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 多発性硬化症は、女性の方が男性に比べて約2~3倍多く発症することが知られています。正しくは:女性患者の割合が高い。選びやすい理由:一般的な神経疾患の中には男性に多いものもあるため、知識が曖昧だと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:他の神経変性疾患(例:パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など)の疫学と混同する可能性があります。
- 2. 正解。多発性硬化症は、脳、脊髄、視神経といった中枢神経系のミエリンが破壊される(脱髄)自己免疫疾患であり、これが多様な神経症状の原因となります。
- 3. 多発性硬化症の発症は比較的若年層に多く、20~40歳代にピークを迎えます。70歳代以降の発症は稀です。正しくは:20~40歳代に発症することが多い。選びやすい理由:加齢とともに様々な疾患のリスクが増加するという一般的な認識から、高齢での発症が多いと誤解する可能性があります。混同注意:アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢で発症する神経変性疾患と混同する可能性があります。
- 4. 多発性硬化症の病型には、症状が進行性に悪化する進行型(一次性進行型、二次性進行型)や、再発を繰り返しながらも症状が残存・蓄積していく再発寛解型があり、神経症状の進行や後遺症の蓄積は頻繁に見られます。正しくは:神経症状の進行が見られる場合がある。選びやすい理由:寛解期がある再発寛解型MSの「寛解」という言葉から、病状が安定し進行しないと誤解する可能性があります。混同注意:急性期のみで症状が改善する一過性の疾患と混同する可能性があります。
- 5. 正解。多発性硬化症は視神経に脱髄病変が生じやすいため、視神経炎による視力低下、視野異常、眼痛などが初期症状として高頻度に見られます。
国試ポイント
多発性硬化症の疫学(性差、発症年齢)、病態生理(脱髄)、典型的な症状(視力低下など)といった基本知識が問われています。疾患の核心的な特徴を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
他の神経変性疾患や自己免疫疾患の疫学、病態、症状と混同しやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回は、多発性硬化症の症状の具体例、診断基準の一部、または各病型における予後やリハビリテーションの方向性について問われる可能性があります。
関連知識
多発性硬化症の病型(再発寛解型、一次性進行型、二次性進行型)、診断基準(マクドナルド基準)、治療法(急性期治療、疾患修飾療法)、リハビリテーション介入のポイント。