肘離断性骨軟骨炎で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
選択肢5が誤りです。学童期の野球選手における肘離断性骨軟骨炎の有病率は、一般的に2%〜5%程度であり、20%〜30%という数値は著しく高い誤った記述です。他の選択肢1〜4は、肘離断性骨軟骨炎に関する一般的な知識として正しい内容を示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 肘離断性骨軟骨炎は、成長期の骨端軟骨が脆弱な時期に、スポーツによる繰り返しのストレスが加わることで発生しやすいため、主に10歳代から20歳代の若年層に好発します。これは正しい記述です。
- 2. 投球動作は肘関節に大きな外反ストレスと圧縮ストレスを繰り返し加えるため、離断性骨軟骨炎の主要な原因となります。特に野球選手に多いため、『野球肘』の一種としても知られています。これは正しい記述です。
- 3. 初期の病変、特に骨片の遊離がまだ認められない段階では、運動の休止、装具療法、リハビリテーションなどの保存療法が第一選択となります。これにより症状の改善や病変の治癒が期待されます。これは正しい記述です。
- 4. 超音波検査は非侵襲的であり、レントゲンでは描出されにくい軟骨病変や骨片の有無、関節液の貯留などをリアルタイムで評価できるため、特に初期診断や病態の進行、治療効果の評価に非常に有用です。これは正しい記述です。
- 5. 正解。学童期の野球選手における肘離断性骨軟骨炎の有病率は、一般的に2%から5%程度と報告されており、20%から30%という数値は過大であり、誤りです。正しくは:学童期の野球選手の有病率は2%から5%程度である。選びやすい理由:投球動作を伴うスポーツ選手に多いという事実から、有病率も非常に高いと思い込みやすい。また、具体的な数値が提示されているため、正確な知識がないと判断が難しい。混同注意:特定のプロ選手や極端なオーバーユースを行う選手群における発生率、あるいは野球肘全体(内側型、後方型などを含む)の罹患率と混同する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、肘離断性骨軟骨炎の基本的な疫学(好発年齢、原因となるスポーツ)、診断法、治療方針に関する正確な知識を問うものです。特に、具体的な有病率の数値の正誤を判断させることで、疾患の理解度を深く確認しようとしています。
混同注意
野球肘と総称される他の疾患(内側側副靭帯損傷、上腕骨内側上顆炎、尺骨神経障害など)、あるいは成長期の骨軟骨疾患(オスグッド・シュラッター病など)の疫学データや治療法と混同しやすい可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他のスポーツ障害における詳細な疫学データ(好発年齢、発生率、有病率)や、診断・治療の具体的なアルゴリズム、および各検査法の特性と有用性(特に画像診断)について注意深く学習する必要があります。
関連知識
肘離断性骨軟骨炎は、成長期の関節軟骨下に壊死が発生し、軟骨および骨の離断や遊離を起こす疾患です。症状としては、運動時の肘痛、可動域制限、ロッキング現象などがあります。診断にはX線、CT、MRI、超音波検査が用いられ、病期の進行度に応じて保存療法または手術療法が選択されます。予防には、適切な投球フォームの習得、投球数の制限、十分な休養が重要です。