せん妄で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
せん妄は、急性または亜急性に発症し、注意障害、意識レベルの変動、思考力・知覚の障害を特徴とします。日内変動が顕著で、特に夜間に症状が悪化することが多いです。脳波検査では、広範な徐波化がしばしば認められ、これは脳機能の全般的な低下を示唆する所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. せん妄は通常、急激に発症します。正しくは:せん妄は一般的に急性または亜急性に発症します。選びやすい理由:認知症の症状と混同しやすいですが、せん妄は発症の速度が異なります。混同注意:認知症(緩徐な進行)とせん妄(急性進行)の発症様式。
- 2. せん妄の主要な特徴の一つは、注意力の障害です。正しくは:せん妄では注意力が著しく低下します。選びやすい理由:患者が時折はっきりしているように見えることがあるため、注意力が保たれていると誤解されがちです。混同注意:意識レベルの変動に伴う注意力の変動と、注意力そのものが保たれている状態。
- 3. せん妄では精神運動性興奮(過活動型)や精神運動性抑制(低活動型)など、活動性に変化が生じることが一般的で、低下しないわけではありません。低活動型では活動性の低下が顕著です。正しくは:せん妄では、活動性が過剰になることもあれば、低下することもあります(過活動型または低活動型)。選びやすい理由:「せん妄」という言葉から興奮状態を連想しやすいため、活動性は低下しないと思われがちですが、低活動型せん妄も存在します。混同注意:過活動型せん妄と低活動型せん妄の区別。または、活動性低下が必ずしも意識障害と結びつかない場合。
- 4. せん妄の症状は、一日の時間帯によって変動する日内変動(夜間に悪化するなど)が特徴的です。正しくは:せん妄の症状は、通常、日内変動を伴います(例:夜間せん妄)。選びやすい理由:認知症のように症状が常に一定であるという誤解から選ばれる可能性があります。混同注意:認知症(比較的安定)とせん妄(日内変動あり)の症状経過。
- 5. 正解。せん妄の脳波所見としては、全般的な徐波化が典型的に認められます。これは、脳機能の広範な障害を示唆しています。選びやすい理由:医学的な専門知識が必要な選択肢であるため、他の選択肢が誤りと判断できれば選びやすいです。混同注意:脳波の他の異常所見(例:てんかん波形)や、認知症での脳波変化との違い。
国試ポイント
せん妄の主要な臨床症状と身体所見(特に脳波)に関する知識が問われています。認知症との鑑別点や、発症様式、日内変動の有無、注意障害といった核となる特徴を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
認知症、うつ病、精神病性障害。特に認知症とは症状が重複するため、発症の速度、意識レベルの変動、注意障害の有無、日内変動の有無、可逆性という点で鑑別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、せん妄と認知症の鑑別点(発症速度、意識レベル、注意障害、日内変動、可逆性)や、せん妄の具体的ケア方法(環境調整、コミュニケーションの工夫)について問われる可能性があります。
関連知識
せん妄の誘発因子(薬剤、感染症、脱水、手術後など)、せん妄の病型(過活動型、低活動型、混合型)、せん妄の治療とケアの原則(環境調整、原因疾患の治療、薬物療法)。