統合失調症について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
統合失調症の治療においては、患者さん自身だけでなく、家族の病気に対する理解と協力が非常に重要です。家族心理教育は、病気の症状、経過、治療法、再発のサインなどを家族が学ぶことで、患者さんへの過度な干渉や批判を避け、支持的な環境を整えることを目的としています。これにより、患者さんのストレスが軽減され、服薬アドヒアランスの向上にも繋がり、結果として再発率の低下に有効であることが数多くの研究で示されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 統合失調症では、症状が寛解しても再発予防のために薬物治療を継続することが非常に重要です。自己判断での中止は再発リスクを高めます。正しくは:症状が寛解した後も、再発予防のために薬物治療は継続するのが一般的である。選びやすい理由:症状がないなら薬は不要、という一般的な感覚に基づいているため。混同注意:急性期の治療と維持期の治療の目的の違い。
- 2. 正解。家族心理教育は、家族が病気への理解を深め、患者さんへの適切な接し方を学ぶことで、ストレスを軽減し、患者さんの服薬アドヒアランス向上にも寄与するため、再発率の低下に有効であることが多くの研究で示されています。選びやすい理由:家族が病気を理解することで、患者さんの生活環境が改善され、ストレスが減ることが直感的に理解できるため。混同注意:個別の精神療法や集団精神療法との区別。
- 3. 精神病未治療期間(Duration of Untreated Psychosis: DUP)が短いほど、予後が良いとされています。早期介入が重要です。正しくは:精神病未治療期間の長短は、その後の予後と関連がある。選びやすい理由:病気の治療開始が遅れても、その後の治療で十分に回復できると誤解する可能性があるため。混同注意:治療開始時期と病気の進行度の関係性。
- 4. 急性増悪期は病状が不安定で、集中力や判断力が低下しているため、服薬自己管理の練習には不向きです。病状が安定し、回復期に入ってから段階的に開始するのが適切です。正しくは:服薬自己管理の練習は、病状が安定している回復期から開始する。選びやすい理由:早期からの介入が良いという一般的な考えから、急性期から始めるのが良いと誤解する可能性があるため。混同注意:急性期のリハビリテーションの全体像と、特定のスキルトレーニングの適切な開始時期。
- 5. 統合失調症の患者さんも、障害者手帳を所持していれば、障害者試行雇用(トライアル雇用)の対象となり得ます。この制度は、就労を希望する障害者が企業での試行雇用を通じて適性や能力を見極めるためのものです。正しくは:障害者試行雇用(トライアル雇用)の対象になる。選びやすい理由:精神疾患に対する社会的な偏見や制度への知識不足から、対象外だと誤解する可能性があるため。混同注意:精神障害者の雇用制度全般についての知識。
国試ポイント
統合失調症の治療とリハビリテーションに関する基本的な知識、特に心理教育や社会資源の活用、病態理解が問われています。それぞれの選択肢が示す治療介入の適切な時期や効果、対象者について正確に把握しているかを確認する問題です。
混同注意
統合失調症の治療における各介入(薬物療法、心理教育、精神療法、リハビリテーション)の目的と適切な実施時期が混同されやすいです。特に、急性期と回復期・維持期で介入の焦点が異なる点を理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、統合失調症だけでなく、他の精神疾患(例:うつ病、双極性障害)における心理教育の重要性や、各疾患に特有のリハビリテーションアプローチ、あるいは障害者雇用の具体的な制度内容について問われる可能性があります。また、精神疾患患者さんの地域生活支援に関する知識も重要です。
関連知識
統合失調症の薬物療法(継続の重要性)、早期介入の概念(DUP)、服薬自己管理指導の段階性、障害者雇用促進法に基づく各種制度(障害者手帳、トライアル雇用、就労移行支援など)。