急性期を脱した後、まだ外的刺激への敏感さが残る統合失調症患者の作業療法導入時の対応で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
統合失調症の急性期を過ぎ、刺激に敏感さが残る患者さんにとって、予測可能で安定した環境は非常に重要です。作業療法を定期的に実施することで、患者さんの生活リズムが整い、安心感が得られ、治療への信頼感が育まれます。これは、症状の安定とリハビリテーションの導入において基盤となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性期後の統合失調症患者は、まだ刺激に敏感な段階であるため、具体的な役割の付与は過度なプレッシャーとなり、症状を悪化させる可能性があります。正しくは:急性期を脱し、病状が安定し、活動への意欲が見られるようになってから、段階的に役割の付与を検討します。選びやすい理由:作業療法では役割の再獲得が重要であるため、一見適切に思えるかもしれませんが、段階を誤ると逆効果です。混同注意:役割訓練の重要性と、導入のタイミング
- 2. 刺激への敏感さが残る段階で積極的に対人交流を促すと、患者に不安や負担を与え、ストレスが増大する可能性があります。孤立感を強めることにもつながりかねません。正しくは:患者のペースを尊重し、まずは安心できる環境で個別の関わりから始め、徐々に他者との交流の機会を設けていきます。選びやすい理由:社会参加の促進は作業療法の重要な目標ですが、患者の準備ができていない段階では逆効果です。混同注意:社会参加の重要性と、その導入のタイミング・方法
- 3. 正解。急性期を脱した統合失調症患者にとって、定期的かつ予測可能なプログラムは、生活リズムを安定させ、安心感を提供します。これにより、治療への信頼感を醸成し、症状の安定に繋がります。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:(正答のため該当せず)混同注意:(正答のため該当せず)
- 4. 刺激に敏感な患者に対し、複数の治療者が関わることは、対応の一貫性を欠き、患者に混乱や不安を与えやすいです。信頼関係の構築も困難になる可能性があります。正しくは:治療初期や特に刺激に敏感な時期は、患者が安心して関われるよう、特定の少数の療法士が一貫して担当することが望ましいです。選びやすい理由:チームアプローチは重要ですが、患者の状態によっては、安定した一貫した関係性が優先されます。混同注意:チーム医療の利点と、患者の状態に応じたアプローチ
- 5. 退行的な行動は、患者が現在の状況に適応しようと模索しているサインである可能性もあります。介入を控えるだけでは、患者の不安を放置することになり、改善の機会を失う可能性があります。正しくは:退行的な行動が見られた場合は、その背景にある感情やニーズを理解しようと努め、患者が安心できるような支持的な態度で、適切に介入・対応を検討します。選びやすい理由:過剰な介入を避けるべきという考えから選択肢を選びやすいですが、全く介入しないのは誤りです。混同注意:過剰な介入の回避と、適切な介入・支持的な姿勢
国試ポイント
統合失調症の病期に応じた作業療法の基本的な介入原則、特に急性期後の不安定な時期における患者への配慮と環境設定の重要性が問われています。刺激に敏感な状態への理解と、安心感を確保するための対応が鍵となります。
混同注意
急性期後の患者への介入は、回復期の患者への介入と混同しがちです。回復期の患者には、役割付与や社会交流の促進が積極的に行われますが、急性期後の不安定な時期には、まず安定と安心の提供が優先されます。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、患者の病期と現在の症状(刺激への敏感さ、不安の有無など)を正確に把握し、それに応じた安全・安心を最優先する介入(環境調整、一貫した関わり、段階的な活動提示など)を選択できているかを確認します。
関連知識
統合失調症の病期分類(急性期、消耗期/休息期、回復期、維持期)、それぞれの病期に応じた精神科作業療法の目標と介入内容。特に、消耗期における休息と回復の重要性、一貫性のある関わりの必要性。