後縦靱帯骨化症で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
後縦靱帯骨化症(OPLL)は、脊椎の椎体後縁を走行する後縦靱帯が骨化し、脊髄や神経根を圧迫する疾患です。特に頸椎部に発生することが多く、進行すると脊髄症状として痙性麻痺、しびれ、運動麻痺などを引き起こします。本疾患は日本人を含む東アジア人に多く、遺伝的要因や性差(男性に多い)が関与すると考えられています。
選択肢ごとの解説
- 1. 後縦靱帯骨化症は、欧米人よりも東アジア人、特に日本人に多いとされています。人種差が認められる疾患です。正しくは:日本人の方が欧米人よりも罹患率が高い。選びやすい理由:一般的な感覚として特定の病気が特定の地域に多いという認識が薄い場合、安易に「欧米人に多い」という表現が使われる他の疾患と混同する可能性があります。混同注意:他の疾患(例:多発性硬化症など)で欧米に多いものと混同しやすいです。
- 2. 後縦靱帯骨化症は、腰椎部よりも頸椎部に最も多く発生します。頸椎部のOPLLは脊髄症状を来しやすく、特に重要です。正しくは:最も多く発生する部位は頸椎部である。選びやすい理由:脊椎疾患全体で腰椎疾患が多いというイメージから、OPLLも腰椎に多いと誤解しやすいです。混同注意:腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、一般的な腰椎疾患の頻度と混同する可能性があります。
- 3. 正解。後縦靱帯骨化症が進行し、骨化した靱帯が脊髄を圧迫すると、上位運動ニューロン障害の兆候である痙性麻痺(筋緊張亢進、深部腱反射亢進、病的反射など)を生じることがあります。特に頸椎のOPLLで顕著です。
- 4. 後縦靱帯骨化症の発症には、遺伝的素因が関与すると考えられています。家族内発生も報告されており、多因子遺伝が示唆されています。正しくは:発症には遺伝的要因が関与する。選びやすい理由:原因が完全には解明されていない疾患に対して、安易に遺伝の影響を否定的に捉えてしまう可能性があります。混同注意:単一遺伝子疾患でないため「遺伝の影響が少ない」と誤解されることがありますが、実際には多因子遺伝の関与が指摘されています。
- 5. 後縦靱帯骨化症の有病率は、男性の方が女性よりも高いとされています。男女比は約2:1と報告されています。正しくは:罹患率は女性よりも男性の方が高い。選びやすい理由:骨粗鬆症など女性に多い骨疾患との混同や、統計データを正確に覚えていない場合に、どちらかの性別が多いという情報に惑わされる可能性があります。混同注意:骨粗鬆症や関節リウマチなど、女性に多い他の整形外科疾患と混同しやすいです。
国試ポイント
後縦靱帯骨化症の疫学(人種、性差)、好発部位、主な症状(特に進行時の脊髄症状)、発症要因(遺伝)に関する基本的な知識が問われています。各選択肢の知識を正確に覚えておく必要があります。
混同注意
本疾患の疫学(人種、好発部位、性差、遺伝)は、他の脊椎疾患(例:黄色靱帯骨化症、脊柱管狭窄症)や骨代謝疾患と混同されやすいポイントです。特に好発部位や男女比は、他の疾患のデータとごちゃ混ぜになりがちです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、黄色靱帯骨化症との比較、具体的な脊髄症状の内容、画像診断での所見などが問われる可能性があります。また、治療選択肢(保存的治療、手術的治療)や術後の理学療法・作業療法の注意点なども重要です。
関連知識
黄色靱帯骨化症(OLF)との比較(好発部位、症状)、脊髄圧迫症状の種類と鑑別、MRIやCTといった画像診断の特徴、保存療法と手術療法の適応。