13歳の男子。7歳から野球を始め、中学生から投手となった。投球動作中に右肘に痛みを感じるようになり、病院を受診した。理学療法評価時、肘関節の外反ストレステストを実施したところ、肘関節の内側に疼痛が誘発された。痛みが出現する動作はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
13歳の野球投手で、投球動作中の右肘内側痛と外反ストレステスト陽性は、野球肘(上腕骨内側上顆炎など)が疑われます。外反ストレスは投球のコッキング期後期から加速期にかけて最大となるため、肘関節に大きな外反力がかかる選択肢4の動作で痛みが誘発されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 選択肢1はワインドアップ期であり、投球動作の初期段階で肘関節への外反ストレスは小さいです。選びやすい理由:投球動作の初期段階であり、これから肘に大きな負荷がかかることを予想させるため。混同注意:投球動作全体のどのフェーズでどのストレスがかかるかの知識が不確かな場合。
- 2. 選択肢2はコッキング期早期であり、まだ肘関節への外反ストレスはそれほど大きくありません。選びやすい理由:徐々に投球動作が進行し、負荷がかかり始める段階と誤解しやすい。混同注意:投球動作のフェーズと負荷のピークを混同する場合。
- 3. 選択肢3はコッキング期後期であり、外反ストレスは増大しますが、選択肢4の加速期と比較するとまだ小さいです。選びやすい理由:コッキング期後期は外反ストレスが増大し始める時期なので、痛みが誘発されると考える可能性もあります。混同注意:外反ストレスのピークがどのフェーズかを正確に理解していない場合。
- 4. 正解。選択肢4は加速期にあたり、肘関節が最大に外反ストレスを受ける時期です。症例は肘関節の内側に痛みがあり外反ストレステスト陽性であるため、この動作で痛みが誘発されると考えられます。
- 5. 選択肢5はフォロースルー期であり、ボールがリリースされた後の減速段階です。肘関節への外反ストレスは減少し、むしろ伸展や内反ストレスが主となります。選びやすい理由:投球動作の最後の部分であり、投げ終わりに痛みが出るという漠然としたイメージで選ぶ可能性があります。混同注意:投球動作の各フェーズでかかる具体的なストレスを理解していない場合。
国試ポイント
野球肘の病態と投球フェーズにおける肘関節への負荷の関係を理解すること。
混同注意
野球肘とテニス肘(上腕骨外側上顆炎)の鑑別。痛みの部位(内側か外側か)とスポーツの種類によって区別します。
次に同じ論点が出たら
同様の問題では、症例のスポーツ種目、年齢、痛みの部位(肘関節のどの部位か)、誘発されるテスト(外反ストレスか内反ストレスか)を確認し、投球動作のどのフェーズでそのストレスが最大になるかを判断します。
関連知識
投球フェーズはワインドアップ期、コッキング期(早期、後期)、加速期、減速期、フォロースルー期に分けられ、それぞれ肘にかかるストレスの種類が異なります。野球肘の内側型では、尺骨側副靱帯損傷、内側上顆骨端線離開、内側上顆剥離骨折などが含まれます。