呼吸性アシドーシスはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
呼吸性アシドーシスは、肺胞換気量の低下によりPCO₂が上昇し、pHが低下する状態です。選択肢3では、pHが7.25と低く、PCO₂が55 mmHgと上昇しており、HCO₃⁻が30 mEq/Lと上昇しているのは、呼吸性アシドーシスに対する腎臓の代償作用(HCO₃⁻の再吸収促進)を示しています。この組み合わせが呼吸性アシドーシスに最も合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. pHが低下しておりアシドーシス状態ですが、PCO₂が基準値(35-45 mmHg)より低く、HCO₃⁻も基準値(22-26 mEq/L)より低いため、代謝性アシドーシスに呼吸性アルカローシスによる代償が加わった状態と考えられます。正しくは:この数値では代謝性アシドーシスが主であり、呼吸性アルカローシスによる代償が見られます。選びやすい理由:pHが低い点からアシドーシスと判断しやすいですが、PCO₂が低いため呼吸性アシドーシスではありません。混同注意:PCO₂の基準値とHCO₃⁻の基準値を混同しやすいです。
- 2. pHは正常範囲内ですが、PCO₂が基準値(35-45 mmHg)より低く、HCO₃⁻も基準値(22-26 mEq/L)より低いため、呼吸性アルカローシスと代謝性アシドーシスの複合障害、あるいは代償された状態を示唆します。正しくは:この数値では、pHが正常範囲にあるものの、PCO₂とHCO₃⁻の異常から複合的な酸塩基平衡異常が示唆されます。選びやすい理由:pHが正常なので一見問題ないと見誤る可能性がありますが、PCO₂とHCO₃⁻の値に注目すべきです。混同注意:pHが正常な場合の代償性変化を見落としがちです。
- 3. 正解。pHが基準値(7.35-7.45)より低くアシドーシスを示し、PCO₂が基準値(35-45 mmHg)より高いため、呼吸性アシドーシスが主病態と考えられます。HCO₃⁻が基準値(22-26 mEq/L)より高いため、腎臓による代償(代謝性アルカローシスによる代償)が起きている状態と判断できます。正しくは:正しい選択肢です。pH低下、PCO₂上昇が呼吸性アシドーシスの特徴です。選びやすい理由:HCO₃⁻の上昇があるため、代謝性アルカローシスとの関連を疑うかもしれませんが、PCO₂の上昇とpHの低下から呼吸性アシドーシスが主因です。混同注意:代償が起きていると、主病態がわかりにくくなることがあります。
- 4. pHは正常範囲の下限に近く、PCO₂は正常範囲内ですが、HCO₃⁻が基準値(22-26 mEq/L)より高いため、代償性の代謝性アルカローシス、あるいは慢性的な呼吸性アシドーシスがほぼ完全に代償された状態と考えられます。正しくは:この数値では、pHが正常範囲内にあり、PCO₂も正常のため、呼吸性アシドーシスではありません。選びやすい理由:pHが低い方なのでアシドーシスを疑うかもしれませんが、PCO₂が正常であるため、呼吸性の問題ではありません。混同注意:pHが正常範囲内にあるが、他の数値が異常な場合の解釈に迷うことがあります。
- 5. pHが基準値(7.35-7.45)の上限にあり、PCO₂が基準値(35-45 mmHg)の上限ですが、HCO₃⁻が基準値(22-26 mEq/L)より大幅に高いため、代謝性アルカローシスに呼吸性アシドーシスによる代償が加わった状態と考えられます。正しくは:この数値ではpHが高いため、アルカローシスが主であり、呼吸性アシドーシスではありません。選びやすい理由:PCO₂が上昇しているので呼吸性アシドーシスを疑うかもしれませんが、pHが高いことからアルカローシスが主であることを示すため誤りです。混同注意:PCO₂の上昇だけを見て呼吸性アシドーシスと早とちりしやすいです。
国試ポイント
血液ガス分析の正常値(pH 7.35-7.45, PCO₂ 35-45 mmHg, HCO₃⁻ 22-26 mEq/L)を理解し、各項目の変動が酸塩基平衡にどのように影響するかを判断できることが重要です。特に、アシドーシス・アルカローシスの原因が呼吸性か代謝性かを見極めることが求められます。
混同注意
酸塩基平衡の代償反応を理解していないと、PCO₂やHCO₃⁻が正常範囲から外れている場合に、主たる異常と代償反応を混同しやすいです。例えば、PCO₂の上昇だけを見て呼吸性アシドーシスと判断するが、pHが高い場合は代謝性アルカローシスの代償である可能性があります。
次に同じ論点が出たら
血液ガス分析の症例問題が出た場合、まずpHを見てアシドーシスかアルカローシスかを判断し、次にPCO₂とHCO₃⁻の値を見て、呼吸性か代謝性かを区別し、さらに代償の有無と程度を評価する手順で考えることが有効です。
関連知識
代謝性アシドーシス、代謝性アルカローシス、呼吸性アルカローシス、およびそれぞれの代償反応について学習しておく必要があります。Anion Gapの計算も関連知識として重要です。