Guillain-Barré症候群の治療で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ギラン・バレー症候群では、呼吸筋麻痺により人工呼吸管理が必要となることがあり、その際に胸郭の柔軟性が低下し、無気肺や肺炎などの合併症リスクが高まります。早期からの胸郭ストレッチングは、胸郭の可動性を維持し、肺の換気を助け、これらの合併症を予防するために非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. ギラン・バレー症候群の急性期の第一選択治療は、免疫グロブリン大量静注療法または血漿浄化療法であり、ステロイド投与は単独での有効性が確立されておらず、第一選択とはなりません。正しくは:ギラン・バレー症候群の急性期の第一選択治療は、免疫グロブリン大量静注療法または血漿浄化療法である。選びやすい理由:他の炎症性疾患(例えば多発性硬化症の急性増悪など)ではステロイドが第一選択となることがあり、免疫系の疾患であるギラン・バレー症候群でも同様だと誤解する可能性があります。混同注意:多発性硬化症の急性増悪治療、または免疫抑制剤一般の知識と混同する。
- 2. ギラン・バレー症候群の進行期や急性期には、筋力増強運動は神経や筋に過度な負荷をかけ、病状を悪化させる危険性があるため禁忌です。この時期は、関節拘縮の予防と疼痛管理のための関節可動域練習が重要です。正しくは:筋力低下の進行期には、筋力増強運動は避け、関節可動域運動とポジショニングにより関節拘縮を予防する。選びやすい理由:リハビリテーションでは早期からの筋力強化が重要という一般的な考え方から、積極的に筋力増強運動を行うべきだと考えるかもしれません。混同注意:一般的な筋力低下に対するリハビリテーションの原則や、回復期の運動療法と混同する。
- 3. 正解。ギラン・バレー症候群で人工呼吸管理が必要な場合、呼吸筋麻痺により胸郭の動きが制限され、換気障害や無気肺、肺炎などの合併症のリスクが高まります。早期からの胸郭ストレッチングは、胸郭の柔軟性を維持し、肺の換気を改善し、合併症予防に非常に有効です。
- 4. 筋力低下の進行が停止しても、すぐに漸増抵抗運動を開始すると、神経や筋に過度なストレスがかかり、病状の悪化(オーバーワーク症候群)や回復の遅延を招く可能性があります。回復期に入っても、筋力増強運動は疲労や疼痛に注意しながら、慎重に漸進的に行う必要があります。正しくは:筋力低下の進行が停止した後も、病状の安定と回復の兆候を見ながら、慎重かつ漸進的に低負荷の運動から開始し、オーバーワークを避ける。選びやすい理由:進行が止まったら、すぐに回復期に入り、積極的に筋力を取り戻すべきだと考えるかもしれません。しかし、ギラン・バレー症候群では神経回復に時間を要し、過負荷は悪影響を及ぼします。混同注意:一般的なリハビリテーションにおける筋力回復期の運動プロトコルと混同する。
- 5. ギラン・バレー症候群の予後は比較的良好であり、多くの患者が発症から数か月で回復します。発症6か月後に長下肢装具を必要とするほどの重篤な歩行障害が残る割合は、一般的に10~20%程度とされており、半数というのは過大評価です。正しくは:発症6か月後に長下肢装具を必要とするほどの重篤な歩行障害が残る患者は少数である。選びやすい理由:ギラン・バレー症候群が重篤な神経疾患であるという認識から、多くの患者が重度の後遺症を抱えるだろうと推測するかもしれません。混同注意:疾患の重篤性に対する認識と、実際の予後統計との混同。
国試ポイント
ギラン・バレー症候群の治療方針、特に急性期と回復期のリハビリテーションにおける注意点や禁忌、そして予後に関する基本的な知識が問われています。一般的なリハビリの原則との違いを理解しているかが重要です。
混同注意
急性期の神経疾患リハビリテーションと、一般的な筋力増強や早期離床の原則、他の神経難病の治療方針(例:ステロイドの第一選択)と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、ギラン・バレー症候群の各病期(進行期、停止期、回復期)に応じた適切なリハビリテーション介入の内容、特に「してはいけないこと(禁忌)」と「積極的に行うべきこと」を区別できるかを確認する。また、疾患の一般的な予後に関する数字も重要です。
関連知識
ギラン・バレー症候群の病態生理(脱髄、軸索障害)、鑑別診断、急性期の合併症(呼吸不全、不整脈、自律神経障害)、具体的な治療法(血漿浄化療法、免疫グロブリン療法)、回復期の運動療法の原則(オーバーワーク症候群の回避)。